karinchaco さんの感想・評価

4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態：観終わった

一般的なラノベ作品より一段階上の印象。しかし、シナリオはワンパターンな部分もある。

電撃文庫の大ヒットラノベ原作のアニメ。

あらすじ等は省きます。
２０１４年に１０周年を迎えた電撃文庫の主力選手。これまで、本編である禁書目録が２クールを２期と映画が１作。スピンオフの超電磁砲が２クールを２期＋ＯＶＡが１作。と、深夜アニメの中でも無類の人気を誇るシリーズといってもいいでしょう。

さて、この作品の主人公上条当麻はいわゆる俺ＴＵＥＥＥ型主人公の代名詞ともなっていました。（最近はＳＡＯや劣等生のおかげでイメージが薄らいでいますが）実際には主人公そのものが特別強いということではなく、ジョーカー的な異能を打ち消す能力とやけに丈夫なからだ、そしてたぐいまれなる根性のおかげなので、俺ＴＵＥＥＥと割り切るのは表面的な部分しかとらえてないと思います。
そういった印象をもたれるのは、問題解決の方法がさっき挙げた３つの要素の力技ばかりでワンパターンであるところが誤解を産んでいる最大の要因だといえるでしょう。
私としても、俺ＴＵＥＥＥよりも、そのワンパターン具合のほうが不満なんですけどね。

このシリーズにおいて、この作品では魔術サイドを中心に描かれています。（超電磁砲は科学サイドと呼ばれています。）主人公の上条当麻も科学的には無能力者とされていますが、異能を消す能力は異能であれば魔術、科学関係なく打ち消すことが出来ます。
その魔術なんですが、世界で多く広まっているあの宗教をモデルにしたと思われる十字教というのが出てきます。魔術というのは基本十字教が中心なようでほかの宗教などの描写はありませんでしたね。原作ならそこらへんの事情とか詳しく説明されている部分とかあるのでしょうか。ちょっと気になりますね。

この禁書目録のタイトルは青を基調としたものになっていますが、そのイメージが作画にも生かされていると思いました。スピンオフの超電磁砲がオレンジを基調にしていて背景も明るいものが多いので上手く対比されていると思います。
禁書目録は戦闘シーンや重要パートが夜のことが多いのでそういったことも関係しているように見えますね。その雰囲気はとてもきれいだと思いました。

シナリオ的には、前述したとおりワンパターンな部分は見受けられるものの、戦闘シーンは見応えがあると思いました。主人公の特性上、無傷で勝利ということが考えられないので、結構手に汗にぎる展開が多かったです。特に、一方通行との戦いはしびれるものがありました。
また、インデックスさんはストーリー上の重要なキャラのはずなのにいつの間にかトラブルの蚊帳の外に追いやられていて、割とギャグ要因になっていましたね。序盤はともかく、中盤以降は登場シーンのほとんどが日常パート。ボロボロになって入院している当麻に噛みつくという大事な仕事を任されていましたｗ。あと、猫のスフィンクスもかわいかったです。

流石、人気作ということで、内容も他の一般的なラノベ作品よりは一段上の印象を持ちました。あとは、ワンパターンな展開を許容できるかどうかがこの作品を好きになれるかどうかの分水嶺だと思います。