101匹足利尊氏 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
愛の〝ツンデレ"フレイムヘイズ
私にとって〝炎髪灼眼の討ち手"ことシャナは最も印象深い〝ツンデレ"ヒロインです。
紅世の徒(ぐぜのともがら)討滅というフレイムヘイズの使命のため、
情を廃し、刀を振り回し、文字通り燃えているツンツンぶり。
{netabare} メロンパン{/netabare}以外にはほとんど心を許さない(笑)
強烈な原作ラノベキャラを〝ツンデレの女王様"こと
CV釘宮理恵さんで再現した〝強度"も然ることながら、
〝ツンデレ"の〝必然性"において、私の中では今でも抜きん出た存在です。
本シリーズのテーマは〝愛"です。
情が入り込む余地などなさそうな〝存在の力"を巡る緻密で乾いた世界の法則。
その理(ことわり)に対する愛の在り方、可能性を繰り返し、一貫して問い続けた物語。
それが『灼眼のシャナ』なのです。
だから好いた惚れたくらいないとお話になりませんし、
もう一人の主人公・坂井悠二くん宅や学校を舞台に、
シャナの周辺ではラブコメ要素満載の波乱が必然的に起こります(笑)
そして愛を知らないフレイムヘイズであったシャナが、
愛を知り、その未知の感情や副作用に動揺しつつも、
その力に目覚めていく…。
この過程を瑞々しく描くのに〝ツンデレ"というキャラ設定はまさに最適解。
炎のように揺らめく様に、見ているこっちも一緒にドキドキすることができます。
本作を観た当時はこうした物語と連関したバトルとラブコメの並立、
〝ツンデレ"設定が当たり前だと思っていましたし、特に気にも留めていませんでした。
ところが後年〝ツンデレ"がブームから典型、約束事になり、
テーマと関係なしにバトルとラブコメを混ぜてみたり、
〝ツンデレ"を無理に物語にねじ込んでみたり…。
こうした事例にちょくちょく出くわしてみて、
あぁ、『シャナ』ってよくできたお話、そして〝ツンデレ"だったんだなぁ…と、
その価値を思い知ることとなりました。
だから最近の〝ツンデレ"に触れて、〝ツンデレ"なんて大したことない。オワコンだ。
もし、そう思っている方がおられたら、是非、本作のような、
〝ツンデレ"の黎明、確立、普及期の純度の濃い〝ツンデレ"に触れてみて欲しいです。
なぜ〝ツンデレ"が二次元の枠を超越して一般化したのか。
当時一部アニメファンの間でなぜ〝釘宮病"なる奇病が蔓延したのか(笑)
その理由の一端を知ることができると思います(笑)
燃える戦いが多い良作バトルアニメだった本作。
私としては本作のベストバウトには敢えて、
{netabare}吉田一美とシャナ。校舎裏の宣戦布告。
静のCV川澄VS動のCV釘宮。悠二を巡る二人の乙女の舌戦{/netabare}を挙げたいです。
火花バチバチ!火傷しそうです(笑)