karinchaco さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
キョンの一人称で語ることでハルヒの存在感を魅力的に見せた名作。
ラノベ原作のアニメ。
2000年代のアニメにおいてターニングポイントの一つになった作品。これ以降ラノベ原作のアニメ化が進み、深夜アニメには欠かせないジャンルの一つになっています。また、制作を請け負った京都アニメーションの名声を高めるきっかけとなった作品ともいえるでしょう。
さて、この作品最大の特徴はすべて主人公「きょん」の一人称で物語が語られることでしょう。文芸作品では一人称で語られるものは少なくないと思いますが、アニメでは珍しいのではないでしょうか。私が思いつかないだけかもしれませんが。
この特徴のおかげで、全ての元凶であるハルヒの行動を客観的に見ることができ、ハルヒの気持ちの内側をうかがい知ることができません。このことにより、涼宮ハルヒという存在にミステリアス度合いが高まり、視聴者にも涼宮ハルヒは何を考えているのか理解できないという魅力を最大限に引き上げていると思います。
裏を返すと、これがキョンの一人称で描かれていなければ涼宮ハルヒの内面を見ることができたのでしょう。しかし、ハルヒの内面を見てしまったら、それはただの人間でしかなく、わがまま女の陳腐なラブコメディにしかならなかったと思います。
さらに、キョンの周りには涼宮ハルヒをめぐり、宇宙人・未来人・超能力者がハルヒの思った通りに現れます。そして、キョンはいつも涼宮ハルヒのしりぬぐいをしながら、いつも死に目にあいます。そんな、キョンの目線を通じて視聴者はこの世界観を追体験するそんな魅力あふれる作品になっていると思いました。
なんだか、とりとめのない感想になってしまいました。後で改稿するかもしれません。