「ドカベン(TVアニメ動画)」

総合得点
65.5
感想・評価
49
棚に入れた
225
ランキング
3314
★★★★☆ 3.6 (49)
物語
3.7
作画
3.3
声優
3.6
音楽
3.4
キャラ
3.9

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ネタバレ

スーパースラッガー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

個性あふれるチームメイト・ライバルがあってこその不朽の名作!

まだ私が少年時代の話です。
最近はないみたいですが、私の住む地方では、とんでもなく古いアニメや特撮の再放送がいきなり始まるということがよくありました。
それも、朝6時台とか夕方の5時台とか、現在はニュース系情報番組の枠として固定している時間帯に堂々とやっていたのです。
おかげで、自分が生まれる前につくられた作品や、物心つく前につくられた作品に数多くふれることになり、気付けば私はガチのアニメ・特撮好きに成長していました・・・それがよかったのか悪かったのか・・・きっとよかったんでしょう^^;

野球漫画・アニメ好きな方なら誰もが知っている名作『ドカベン』も、幸いなことに私は上で述べた地方再放送枠で観ることができました。
当時運動が苦手で、とりわけ野球が大嫌いだった私でしたが、このアニメを観てそういった嗜好が一変しました。
結局学校の野球部には所属しなかった私でしたが、まさかのちに自分で野球チームを結成してしまうとは・・・このアニメは、ある意味私の人生を変えた作品と言えるかもしれません(もうお気づきでしょうけれど、私の「あにこれ」のプロフィールも山田太郎ですよ^^)。

私の思い出話はこのへんで・・・作品の話に移りましょう。

主人公のドカベンこと山田太郎(やまだ・たろう)は強肩豪打・洞察力にも優れたものすごいハイスペックの捕手ですが、主役ならではの「華」はというと、はっきり言ってありません・・・横に大きくずんぐりむっくりのルックス、目は一直線・・・パッとしないですよね。
しかし、そんな山田太郎が日本野球アニメの最高峰ともいえる作品の主人公として輝きを放つようになれたのは、たくさんのチームメイトやライバルたちのおかげだと思います。
彼らとのかかわりの中で、山田太郎ははじめて主人公になり得たのです。

漫画『ドカベン』の続編、『大甲子園』(単行本)の最終巻26巻に、原作者の水島新司さんのあとがきがあるのですが、そこにこんな話が書いてありました。
水島さんが、連載開始当時に少年誌の編集長に「次回新作の主人公はこいつです」と山田太郎の絵を見せた瞬間に「こりゃダメだろ!」といきなりダメ出しを食らったそうです。
そこですかさず水島さんは「主人公・山田太郎と、もう一人、この男をからめて話を進めていきます」と、「葉っぱの岩鬼」として有名な学生帽と口にくわえた葉っぱがトレードマークの規格外の三塁手・岩鬼正美(いわき・まさみ)の絵を見せたのですが、その瞬間編集長が「これはいけそうだ!」と手を叩いて喜んだそうです。
主人公の山田太郎は、物語の始まる前からサブキャラ(岩鬼はもはやサブキャラではないほどすさまじい存在感を放っていますが)に支えられていたということですね。

お話が進むにつれて、個性あふれるチームメイトや他校のライバルが登場して、ストーリーがどんどんふくらんでいきます。

チームメイトでは、小柄ながらアンダースローからの投球で打者を幻惑する「小さな巨人」こと里中智(さとなか・さとる)、「~ずら」が口癖で天才的なピアニストとしての顔も持つ「秘打男」殿馬一人(とのま・かずと)、怒っていてもいつも笑顔の強打者・微笑三太郎(ほほえみ・さんたろう)といった山田の同級生が、山田と同じくらいかそれ以上に実力・魅力ともにたっぷりです。

ライバルに目を移すと、神奈川県内では東海高校の巨漢投手・雲竜大五郎(うんりゅう・だいごろう)、白新高校の隻眼エース・不知火守(しらぬい・まもる)の二人が永遠のライバル的存在ですね。
全国のライバルでは、高知県の土佐丸高校の犬飼小次郎(いぬかい・こじろう)と武蔵(たけぞう)兄弟、不気味な雰囲気の犬神了(いぬがみ・りょう)投手がもっとも印象的ですが、そのほかにも個性あふれる全国各地のライバルがわんさか登場します。
いろいろ挙げると大変な数になりすのでやめておきますが、興味のある方はネット等で調べてみてください^^

{netabare} アニメは、山田が入学してから無敗を誇っていた明訓高校が、2年生の夏の甲子園で、美男子エース・義経光(よしつね・ひかる)と、人間離れした神通力を持つ主砲・武蔵坊数馬(むさしぼう・かずま)を要する岩手県代表の弁慶高校に負けたところで終わります。
これは子供心に衝撃のラストでしたね 。

ちなみに原作漫画は山田たちが3年生の春に甲子園で全国制覇を果たすところで終わり、その後水島野球漫画の集大成ともいえる『大甲子園』に移行して3年夏も全国制覇するところまで行きます。
その後プロ野球編、スーパースター編、ドリームトーナメント編と続いているようですが、「私のドカベン」はプロ野球編までですね(それ以降は壮大すぎてちょっとついていけなくなってしまいました・・・){/netabare}

主人公が強烈な個性と魅力で視聴者を引っ張っていくアニメもありますが、『ドカベン』は主人公以外のキャラクターのウエイトが非常に大きいアニメだと思います。
個性あふれるチームメイトやライバルがいたから、山田太郎の魅力も引き出されて、スーパースターたり得たわけです。

地上波のテレビでの再放送はさすがにもう望めないでしょうけれど、野球が好きな方、野球アニメや漫画が好きな方なら一度はなんらかの形で観ていただきたい名作、それが『ドカベン』です。

投稿 : 2015/02/10
閲覧 : 483
サンキュー:

7

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