るるかん さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
敢えて世界線は混沌のままで・・・
α・β・SG世界線に加え、R世界線という別の時間軸に岡部が消え、クリスがその岡部を救うという内容だったと思う。
90分で今までのシュタゲの世界観を凝縮するのは正直難しいことだっただろう。劇場版にするからには、敢えて岡部が降り立ったR世界線でのラボメンの様子は割愛されて、まるで誰もいない世界に岡部がいたような状況になっていたが、今までの世界線の概念から考えると、当然R世界線にもラボメンはいたのでは・・・?と思われる。ただ、そこを触ると、90分では収まらないという事情があったのだろう。
岡部がいなくなり、クリスがタイムリープする所までは劇場版としてのコンパクトないい話として成立していたように思うが、肝心の最後の部分が時間切れなのか、あまりに説明不足というか・・・クリスが若かりし日の岡部にKISSして、マユシーを抱きしめに行かせ、それで突然SG世界線に戻ったような感じで終わってしまった。正直、えっ・・・これで終わり?みたいな印象で残念だった。劇場版だから多くは望まないが、もうちょっと最後は考えて欲しかったかな・・・という印象でした。
最も好きだったところは、岡部のいないSG世界線の未来で、紅莉栖はR世界線に消えた岡部を捜すためにタイムマシンを作るが、岡部と過去改変はしないと約束したために、タイムマシンを作っておきながらその使用を頑なに拒んだことを未来から来た鈴羽になじられるところ。紅莉栖が自己矛盾に苦悩しながら未来を過ごす頑強さは、岡部を想う彼女の一途な気持ちを表し、それが彼女の大きな魅力の一つであったことを強烈に印象付けたひと幕で気に入っている。
十分にシュタゲの面白い部分は堪能できました。