「言の葉の庭(アニメ映画)」

総合得点
86.1
感想・評価
2002
棚に入れた
9534
ランキング
212
★★★★★ 4.1 (2002)
物語
3.9
作画
4.6
声優
4.0
音楽
4.0
キャラ
3.8

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退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

言葉を越えた言葉。

普段何気なく生活している中で、音は無数に聞こえてくる。本作の受け取り方は、多分、その人それぞれの、感覚で感じたものに否応なくなってくるものではあるが、聴覚や視覚などと、普段の生活という普遍的な共通項で、本作の人気が成り立っているのは間違いない。

私は音に敏感な人間で、普段、音を苦手としている神経質な奴です。
しかし本作の音は雨音から始まり、人が嫌うような音を意識して聴かせてくる。歩く靴の音、包丁の音、呼吸、字を書く音等々。リアルな日常だったら嫌に感じてる音を、こんなにも綺麗に、音って大切だよな、なんて感傷に浸らされたり、作画においては、美しくも写実のような映像は、原風景にまで届いてくる。

物語は日常のホンノ一コマを入れつつ、靴職人を目指す眩しい若者と、社会に悩み疲れ、前に歩けなくなってしまった女性とのお話。偶然雨宿りしている公園での出会いから始まり、徐々にお互いが惹かれてゆき、若者は歩けなくなった人に、歩きたくなるような靴を作り始める流れ。

二人の公園での描写の中では、女性はいつも缶ビールを飲んで、おつまみにはチョコレート。私も何故だか無性に飲食したくなってコンビニまでひとっ飛び。普段のビールの味とは格別に違っていた程で、味覚や嗅覚までも刺激してくるのは、流石に参った。

若者が彼女に惹かれていくように、私も彼女に惹かれていった。何恥ずかしい事いってるのwと思われるだろうけど、それが本心だから困っちゃう。しかしそれぐらい彼女が身近に感じられて、彼の気持ちがスッと流れてきた。

人が持つ五感を通して訴えてくる、形の無いあやふやな概念を、メッセージを持たせ、言語というカテゴリーに落とし込んだメタファーな表現に脱帽。一方で物語としても、脱いでしまった靴を、履き直し歩いてゆけるような、そっと背中を押してくれる優しい作品。新海監督作をいままで避けてきたことに後悔と、これから見れる事に感謝ハムニダ。

投稿 : 2015/02/08
閲覧 : 503

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