セレナーデ さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ほっとけない。もこっちにメッセージを送りたい。
あーなるほど。これは一本とられました。
これはいわば「アニメ観たりネット嗜んだりしてインドアに浸ってるそこのあなた。あなたはもこっちのいたたまれない言動の数々を対岸の火事を眺める気持ちで見届けることができますか」という変わりダネ企画ですよ。
ネット中毒、仮病癖、吃音症、対人恐怖症、貞操を守れている焦燥感、他人に話しかける度に渾身の勇気を捻出しなければならない疲労感、エトセトラ、エトセトラ。そこかしこに配置された内向的ワードや不名誉トピックに対し、新鮮な感覚を得るか、何も感じないか、はたまた「このネタ分かっちゃう自分」に打ちひしがれるか(既視感を得るか)で盛り上がろうてな趣向なわけです。
個人的に刺さったのは、教室に出現したGを踏み潰して英雄になろうとするもこっちのオメデタイ思考回路。英雄願望フル稼働の妄想力に加えて、「こういう行動は世間一般としては正常なのか、イレギュラーなのか」という予測能力のなさには、なにやら共感を覚えてしまいました。言っててすげー恥ずかしいけども。
ただもこっちの場合はそれをなんの迷いもなく実行に移せるのがすごいですね。見当違いな努力の仕方を閃いた時点で履行の二文字しか頭にないもんだから、いつもトンデモない方向に突っ走っていきやがる。
もこっちさんあなた、セルフプロデュース能力低すぎですよ。見てられんですよ。
でも、だからこそ「ほっとけない面白さ」みたいなのもあるんですよね。本来覗けるはずのない、もこっちのいたたまれない心中や、的外れな陰の努力を全て見せられてしまうと、イヤでもおせっかいを焼きたくなっちゃう。プロデュース欲を刺激されちゃう。小手先のアドバイス的メッセージを送りたくなっちゃう。なんだかんだで最後まで観ちゃう。
作品の出来としても各話クオリティのムラが小さく、安定した面白さを供給してくれる意味でも、優秀なコメディアニメではないかと思います。
とりあえず、そのボサっとした頭をどうにかしなさい。