「絶園のテンペスト(TVアニメ動画)」

総合得点
87.2
感想・評価
2720
棚に入れた
15216
ランキング
169
★★★★☆ 3.9 (2720)
物語
4.0
作画
4.0
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
4.0

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ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

【 絶園のテンペスト 】

エンディングの音楽が流れ始めた瞬間に、
鳥肌が立つアニメに、これから何本出逢えるだろうか。
そんな俺の感性に訴えて来るアニメのひとつが、
この、絶園のテンペスト。

そもそも普通のアニメでは有り得ない設定で、物語が展開される。

アニメに限らず、小説、漫画、ドラマ、映画、演劇など、
様々な作品の中で、もっとも重要なファクターであるはずのヒロインが、
このアニメでは最初から死んでいる。

それなのに、絶対的存在感を持って、目の前に生きているかの如く
感じさせる「不破 愛花」という女の子は何だ。。
この疑問こそが、絶園のテンペストの引力と言っても過言ではないだろう。
天邪鬼のような性格で、ぶっちゃけ意地悪なのに、
若干、中学生のこの女の子が、とんでも無く
男を引きつける魅力を持っているように感じる。

更に、愛花の事が大好きな二人の男が登場する。
それが、「滝川 吉野」と「不破 真広」だ。
吉野は愛花の彼氏で、真広は愛花の義兄という設定になっている。
彼らが愛花に抱く愛情は非常に対照的で、
吉野の愛情は意識で、真広の愛情は無意識だ。

しかし、存在とは意識だから、愛花に対して
もっとも深い感情を持っているのは、やはり、吉野だと俺は思う。
彼は、自分の愛情の大きさについて、こう呟いている。

「例え、いく千いく万の兄があり、その愛情全てを寄せ集めたとしても、
俺一人のこの愛には到底及ぶまい。」
forty thousand brothers, could not,
with all their quantity of love, make up my sum.

若さ故の特権だなぁ~。
本当に好きな人の居ない俺からしたら羨ましくもあるが、
それでも、吉野と同じ年頃に戻りたいとは思わないよね。。

アニメの構成は、大きく前半と後半に分かれていて、
前半は人と人との駆け引きが巧みに描かれている。
そのクライマックスは、富士の樹海と思われる場所で、
もうひとりのヒロインである「鎖部 葉風」を時間の檻から
救出するところでピークを迎える。
そして、後半は葉風が吉野に抱く愛情を主軸としながら、
愛花が死んだ理由の究明に向かって物語が描かれている。

俺にとって、この二人のヒロインは、
何故か身近に存在しているように感じる。

目の前に実体が無いのに確実に意識の中に居るのが愛花。
意識しているという事は、先程の話を逆説的に考えると、
存在しているのだよ。。確かに、そこに。
存在とは意識なのだから。

とどのつまりは、愛花ってネットの中で知り合う女の子のようだなぁ。。
と、俺は感じながら、このアニメを観ていたという事。人工知能でもない、
でも、リアルな女の子でもない。ネットで知り合う女の子は、
愛花の存在と良く似ている。

葉風は分かりやすくて、リアルで接する女の子という感じがした。

吉野や真広が、愛花を死んだものとして割り切れて居なかったように、
ネットとリアルを区別する事も、同じように難しい事だよね?
と感じながら、俺はこのアニメを観ていた。

でも、愛花って意地悪だよなぁ。。ww

投稿 : 2015/02/07
閲覧 : 211

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