「瀬戸の花嫁(TVアニメ動画)」

総合得点
84.5
感想・評価
2403
棚に入れた
13748
ランキング
285
★★★★☆ 3.8 (2403)
物語
3.8
作画
3.6
声優
3.8
音楽
3.6
キャラ
4.0

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ネタバレ

OZ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

萌えて笑って涙して燃えて

原作の漫画は読んだ事ないが
オススメをして頂いた事もあり
観てみたらお気に入りとなった作品

■萌えて笑って涙して燃えて■
2007年に放送された作品の為
今現在観ると若干絵柄に時代を感じるものの
未だ色褪せないハイテンションラブコメな『瀬戸の花嫁』

毎話 起承転結がしっかり組まれ
締めるところは締めて
落とすところは落とし
オチも欠かさず入れてくる1話完結型。

ラブコメと銘打ってあるが
全体を通して大きくコメディに傾いており
勢いで押し切る構成が持ち味。

特に演出面が優れている為
テンポも良好である。

これと言った弱点らしい弱点は無い様に観えるが
強いて挙げるならば"掴みの弱さ"だろう。

ヒロインの瀬戸 燦が
主人公 満潮 永澄と同じ学校に転入してくるまでの序盤数話は
物語導入部分とはいえ
展開がややスローなのでグダグダ感が否めない。

退屈とまではいかないが
引き込まれる程でもなく
観続けるか断念するかの分岐点は序盤数話となりそうだ。
そこさえ乗り越えられたなら
後はひたすら笑える事うけあいである。

次に音楽面だが
何と言ってもOP「Romantic summer」は外せない。

テケテケテケテケ♪と
どことなくノスタルジックなギターで始まるサーフロック調は
聴いているだけで夏の浜辺が頭に浮かぶ
作品らしさを上手く表現した見事な一曲。

驚いたのは作詞 作曲 編曲の全てを
燦役の声優 桃井 はるこさんが手掛けており
マルチな才能を持っている方だと思い知らされた。

笑いが主に大半を占めているが
キャラの愛らしさに萌えては
馬鹿馬鹿しさに腹を抱えて笑い
ホロリと涙を誘っては
熱い展開で燃えさせてくれる
非常に完成度の高い作品である。

■メインヒロインがヒロインである強さ■
色々な作品を観ている内に
「メインヒロインよりサブキャラの方が可愛いよね」なんて
感じる事が多々あるけれど
今作品はメインヒロイン 瀬戸 燦こそが
紛れもなく正真正銘のヒロインとして
存在感を発揮している。

勿論 江戸前 留奈や銭形 巡 不知火 明乃と
彼女達も引けを取らない可愛さであるが
あくまで燦をメインに出過ぎる事無く
引き立て役としてちゃんとした立ち位置に収まっているのだ。

「仁侠と書いて人魚と読むきん!」

燦の名台詞でもある通り
筋を通す凛とした男前なキャラかと思いきや
「ラ・リホー ラ・リホー ラリラリラ・リホー♪」と
作中で度々流れる挿入歌「眠りの詩」の様に
デフォルメ化された際の
力が抜けたキャラまで
バラエティに富んだ可愛さを併せ持っている。

改めて桃井 はるこさんの
幅広い演技力に脱帽したと同時に
もし 燦役が桃井 はるこさんでなかったのなら
ここまで魅力的なキャラに
なっていなかったかもしれない程
この上なくハマり役である。

メインヒロインがしっかりヒロインの立ち位置であると
物語そのものに安定感が生まれ
やはり燦あっての『瀬戸の花嫁』だと再認識させられたものだ。

■魅力のたっぷり詰まった最終回■
楽しめた回を幾つか挙げたいところだけれど
最も今作品の魅力が溢れていたのが
第25話から最終回の第26話にかけてである。

これまでの展開とは打って変わって
シリアスモードでスタート。

きっかけは洗濯物の靴下をめぐり始まった
些細な夫婦喧嘩。

結婚は「成り行き」と軽はずみな発言をした永澄に
腹を立てる燦だが
気持ちを落ち着かせて仲直りを試みるも
一度拗れてしまうとなかなか今まで通りには戻れない。

そんな中 燦を含めた瀬戸内組の面々は
いかにも悪役な魚人界の貴族 源 義魚(みなもとの よしうお)から
パーティに招待され学校から姿を消す。

自分の元から燦が去って行ったと思い込んだ永澄は
いなくなってようやく
彼女はかけがえのない存在だと気が付く。

燦がピンチとの情報を聞き
貴族の元へ乗り込む覚悟を決める永澄。

「その言葉を待っていただぎゃあ!!」と
永澄の覚悟に応える様
突如 現れる三河。
本当に三河はおいしい所を持っていく名脇役だ。

貴族の元へ乗り込む永澄一行に
待ち構える悪漢達!

永澄の危機に駆けつけたのは
巻や政 シャーク藤代
そして燦の父親である豪三郎と
瀬戸内組が勢揃い。

この場面で各キャラの登場するカットイン演出が
絶妙な格好良さで
思わず胸を熱くさせられた。

そんなこんなで悪を成敗した後
前期ED曲「明日への光」が流れる中
ラストは永澄から燦へのプロポーズ。

「好きです ずっと傍にいて下さい」
「はい 不束者ですが どうぞ宜しくお願いします」

これにて一件落!!・・・かと思いきや
直後のパートで北斗の拳のケンシロウみたいな
劇画タッチに変化している永澄から
普段通りの日常シーンへ場面は切り替わる。

最後の最後まで一貫して
絶えず笑いを忘れないのが『瀬戸の花嫁』の真骨頂であり
これ以上にないくらい完璧な終り方であった。

■あとがき■
序盤こそ今一つ面白さを感じられなかったが
中盤へ入る頃にはすっかりのめり込み
全26話を予想以上に楽しめました。

頼りなかった永澄が
段々と漢に成長していく過程も素晴らしかったね。

後日 原作の漫画版を読んでみたが
「原作を超えた!」と称されるのも納得で
漫画は漫画の良さもあるのだけれど
アニメで以って『瀬戸の花嫁』は完成された感があり
それ以上の作品に仕上がったと
強く印象付けられたよ。

それと漫画を読んで嬉しかったのがもう一つ。
作中で明かされなかったラスト・アマゾネスこと
委員長のフルネームが分かった事だ。

彼女の本名は「伊院 千代(いいん ちよ)」との事で
相変わらず見事?なオチを披露(笑)

引き続き『瀬戸の花嫁OVA』も観てみたいね。

完璧とも言える幕引きだったので
充分満足する事が出来
お気に入り作品となりました。

満足度 ★★★★★★★★☆☆ (8)

投稿 : 2015/02/07
閲覧 : 565
サンキュー:

48

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