photon さんの感想・評価
2.6
物語 : 1.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
情動の鋳型
たまに、これって感動をつくる為の作品かなと思うものがあるけれど、本作品もそんな感じを抱く。不勉強なのでイメージとしてしか捉えることができないのだけれど、これに似た手法は特にアメリカの作品(芸術やエンターテイメント)にみられるように思う。
それはあたかもどろどろに溶かした精神を鋳型に流し込み全て同じ型に焼き上げるような、そんな印象なのだけれど、これは論理の暴走または暴力のようなものなんじゃないかなんて解釈をしている。鋳型式の量産というのは近代の特徴だなんて誰かが言っていたけれど、鋳型式の文明下、環境下で独自性が生まれることは難しい。論理は理性を整え保つ上で重要であることは明らかだと思うけれど、それが情動にまで至ることは不健全な支配のようなもので、この不健全な支配を論理が暴走している、または暴力を振るっているようなイメージ。
そんなイメージを持っているせいか、本作品のようなものに魅力を感じることもなければ良さも見出せないし悪さも見出せない。ただ、近代の特徴を捉えているって意味で資料的なものとして残るとしたら本作品みたいなものかなと思う。