makkotty さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
いっぺん死んでみる?
地獄少女シリーズ一作目の作品。
地獄少女とは?
恨みを持った人が午前0時に『地獄通信』というサイトにアクセスして恨んでいる相手の名前を書き込むと、地獄少女がやってきて首に蝶結びの紐のついた藁人形を渡されます。
その紐を解くと地獄少女と契約が成立。
恨まれた相手は地獄へ・・・死体も残さずこの世から退去させられます。
契約のリスクは自分も死んだら地獄へ行く約束です。
そのリスクを追ってまでするほどの事なのか?
と思ったりどうしてもっと早くそうしなかったと思ったり・・・色々理不尽です。
人から恨まれるような事をしてはいけない。
人を恨んではいけない。
誰か一人に罪や不幸を背負わせてはいけない。
自分がされて嫌なことは人にしてはいけない。
そういう強烈なメッセージを感じます。
残酷なまでにこの作品は人が嫌がることを追求しています。
この作品を通じて「自分がされたら嫌なこと」を研究できた気がします。
印象的だったことをネタバレですがちょっとまとめて書きます。
ここから先は読まなくても良いメモです!!!!
{netabare}
地獄に流されるのは本当に嫌な奴ばかりです。
例えばよくいるいじめっ子とかね。それが一番最初の事件だった。これ以降を見ていくとドンドンエスカレートして嫌な奴ばかり出てきます。
三話目の事件も印象的です。野球部のエースピッチャーが人をバットで殺します。唐突に殺します。そして後輩に罪を着せます。球界期待の星で自分の事をすっげー天才ピッチャーだと10年だか100年に一人の逸材だ。今地獄に流されたりしたら世界の歴史上の大損だと宣います。くっだらないですよね。
そんな理由で一人の人生を踏みにじろうというのですから。
人を殺しても何をしても許されるというのですから。
目撃者がいて解決したから・・・良いようなものの・・・無理やりな気もするけれど・・・もしこれが二期のストーリーだったらこの後輩も二期の『悪魔の子』と同じ目にあっていそう。(3話目)
最近、柔道の金メダルをとった選手が逮捕されたのと何となく重なります。
十八話目も酷い話だった。
少女の唯一の幸せ(飼い犬)を奪い、それを人質に金汚いおばさんが少女をこき使う話。そのおばさんの口癖は「いつでも殺せるんだからね。」
結局少女の飼い犬は殺されてしまう。二匹の間に産まれた四匹の仔犬も含む。
おばさんは自分の財産を守る為に自分の子供を殺したりもしたことで逮捕されるも結局地獄に送られる。
悪いことなんて何もしてない看護師さんが変質者によって地獄に流されるなども理不尽で結構酷い話もある。
でも一番印象に残ったのは地獄少女の過去だった。
地獄少女の閻魔あいは地獄少女になる前からモノノケなどと何の罪もいわれもない迫害を受けるが仙太郎はそれからあいを守ろうとする。二人はいとこ同士だけれど愛し合っている。
その村には人身御供の風習があり、七つになる女の子を七年に一度山に奉納する(捨てる)という悪しき習慣があった。
仙太郎はその後もあいをかばって食べ物や着物を持って行ったりして一緒に過ごしていた。
偶然にも、村では不作の年が続く。そして死んでいなければいけないはずのあいが生きている事がバレる。
村人は全ての不幸をあいの性にする。
そして村に乱暴に連れて行かれたあいは村人に鍬などで殴られ、あいの両親家族と共に奉納され(穴に埋められる)、殺される。あいは生き埋めになるまで生きていて、最愛の仙太郎は自分と自分の父が生き延びるためあいに土をかける。
あいは自分にだけ不幸を背負わせた村人と村人と同じように土をかけた仙太郎を呪いながら死んでしまう・・・。あいは死霊となってあいの呪いの力によって村人は全滅する。
その結果、地獄の罰を受けて地獄少女になってしまう。
仙太郎だけは生き残っていて、その地に寺院を建立する。
地獄少女になったあいこと閻魔あいは仙太郎の子孫である柴田一と娘のつぐみを地獄に流す為に行動する。
その過程で閻魔あいは仙太郎がどんな思いで自分に土をかけたのかに気づき、仙太郎を許す・・・。
思わず泣きたくなってしまう内容でした。
{/netabare}