STONE さんの感想・評価

4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態：観終わった

とにかくセンスが好き

　原作は未読。
　きわめて個人的趣味ではあるが、世界観、ギャグとシリアスのバランス、テンポ、背景や
キャラクターのデザインなどが凄く好きで、とにかくセンスの良さを感じた。
　際立って凄いものはないが、全ての部分が平均以上のレベルを保っている感じで、ていねいに
作られた印象の作品。
　内容も詰め込みすごず、だれすぎずといった感じのいい按配で、個人的にはだれた回が
まったく無かった。

　アクション部分もなかなか魅力的で、魔女ということで空中シーンが多かったが、この辺の
スピード感はいい感じ。その他、巨大熊のプロレスもどきのバトルなど、他のファンタジー
バトルものとはひと味違うバトルシーンは面白い。
　作画に関しては他にも背景に細かい遊びがあったりして、なかなか楽しい。

　ストーリー展開も悪くないが、どちらかというとキャラの魅力で持っている印象の作品で、
何と言ってもメインヒロインの火々里 綾火がまず印象的。
　クールでいながら多華宮 仄にはぞっこんで、そのためにやることが結構ムチャクチャ。また
多華宮に対する過保護っぷりも面白い。
　女性ということでメインヒロインと書いてしまったが、火々里と多華宮の関係性を
見ていると、どう見ても多華宮君の方がヒロイン。
　他の魔女達もなかなか魅力的なキャラが多かったが、特に印象的だったのは倉石 たんぽぽ
率いるKMM団。序盤は火々里のライバルキャラになるのかと思いきや、以後は出オチキャラの
ような役回りに。でも、いざという時に役に立ったりもするからあなどれない。とにかくいい味
出しまくりでした。

　キャストに関しては若手からベテランまでをうまいこと配置している印象で、この辺の
キャスティング感覚の上手さは水島 努監督らしいなという感じ。
　特に印象的だったのはクロノワールシュヴァルツ・シックス役の釘宮 理恵とウィークエンド
役の平野 綾の悪役勢。
　失礼を承知で書かせてもらうと、お二人とも以前ほどはアイドル的人気はないみたいだが、
逆に役柄の幅が広がったようで、役者としての魅力は今の方が強く感じる次第。