karinchaco さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
伏線に見えない伏線が終盤に一気に回収される、ミステリーの皮をかぶった純愛ドラマ
ラノベ原作のアニメ。
序盤は時代背景を近代に舞台をヨーロッパの架空の国に設定した単純な推理物だと思っていましたが全く違ったようです。途中からラブミステリーに変化し、最終的には純愛ものになります。
確かに推理物としては開示されていない情報を使って推理する部分が多々あり本格的なミステリーというよりは、ヒロインのヴィクトリカが推理をする過程を楽しむ作品だと思っていました。しかし、序盤から小出しにしてきた伏線が後半に進むにつれ徐々に明かされ、終盤は怒涛の勢いで伏線を回収していく様は圧巻です。そういった意味でも楽しく見ることが出来ました。
ここからは、私が気になった点をいくつか。
・ヒロイン ヴィクトリカについて
金髪でツンデレなちびっ子探偵です。母親譲りの才能のおかげで頭脳明晰で、手がかりを「カオスの欠片」と呼び彼女のあふれる「知恵の泉」を使って再構成することで謎を解きます。ただ、いかんせん説明不足で、このままでは久城だけでなく見ている私たちにもさっぱり伝わってこないため彼女に言語化してもらわないと真相が全くわかりません。
{netabare}日ごろから差別されている「名もなき村」の灰色狼であった母親の血をひくため、実の父と兄に蔑まれています。
ただ、気になるのはそこまで頭脳明晰であったのならばこの状況を打破できたのではとも思ってしまいました。ブロア侯爵自体もオカルト省を仕切る、相当切れるタイプの人間で人心掌握術にもたけていたためヴィクトリカが反旗を翻さないよう幾重ものガードをかけていたということも考えられますね。
普通の家庭で育ったらどんな娘さんになんていたんでしょうね。
{/netabare}
・戦争の時期について
{netabare}時代背景が1つ目の大きな戦争と2つ目の大きな戦争の間ということで、史実でいえば2つの世界大戦に挟まれている時代と理解できます。ただ、2つ目の戦争の時期がわたしたちでいうところの第2次世界大戦より10年以上も早く勃発しています。
これは私の想像ですが、史実より早まったのはブロア侯爵の暗躍によるものだと思います。彼が先の大戦でコルデリアを、2つ目の大戦でヴィクトリカを利用して自分に有利に働くよう操作したことが原因でしょう。コルデリアがどのような活躍を見せたかわかりませんが、ヴィクトリカが他国の動きを予測しそれをブロア侯爵の部下たちに伝えている姿は描写されていますね。
{/netabare}
私にとって思い出深い作品なので今後もトピックスを追加するつもりです。