るるかん さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
柔らかい雰囲気と空気感に包まれながら
なんだろう、とっても心地よい作品に出会えた気がしています。
音楽を通して育まれていく『絆』をこれほど穏やかに優しく上品な
シナリオでまとめた手腕は本当に素晴らしい。素直に感動しました。
13話の中で、和奏、来夏、紗羽、大智、ウィーンのそれぞれの個性
をしっかりと表現し、その5人がそれぞれの壁を乗り越え自分の将来
へ向けて前向きに歩いていく。
その若者たちを支える家族や周りの人々・学校の仲間たちが、本当に
品よく描かれていて、邪魔な感じが全然なかったのは驚きでした。
淡々としているわけでもなく、お涙ちょうだい的なドラマでも無く、
音楽がきっかけとなって知り合った5人の、高校時代のなんかいい
想い出のひと幕を垣間見た感じです。
和奏の母まひるの回想シーンも、非常に重要な要素で作品の品の良さ
をより一層高めた。
ラストに紗羽に対する大智の告白?シーンもセリフを入れない、涙も
見せない演出で、作品のクォリティーを守ったあたりも、できそうで
できない演出だったと思うし、高く評価したい。
陳腐な恋愛シーンが1つも無く、しかも衝撃的な話もインパクトを
効かせないような演出で、優しくオブラートに包みながら話は進んだ。
こういう作品はありそうでなかなか無い。とても見ていて気持ちの
いい作品でした。
恋愛とか別れとか死とか、そういうインパクトで感動したい人には
向かないかもしれませんが、人と人との絆が人生において、どれだ
け大切なものかを、穏やかにしみじみと感じたい人にはお薦めでき
ます。大人でも十分に楽しめるいいシナリオです。