ローズ さんの感想・評価
2.9
物語 : 2.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 2.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
近代化する前の日本の妖怪話
明治初期の日本。
不満を持つ輩に対しては絶対に脱獄できない琵琶湖に浮かぶ獄門処を作り、
その場所へ罪人を護送する役目に曇神社に住む曇(くもう)三兄弟であった。
時を同じくして、300年に1度という長期の曇天のなか大蛇(オロチ)の器を破壊するために
右大臣直属の部隊・犲(ヤマイヌ)が動き始めるのであった。
少し分かりづらいのが時代設定。
1話だけ昔の話を挟むのも理解しづらい原因の1つ。
ほとんどの作中舞台は明治初期ですが、現存している史料も多く、神話的な話が作りにくくなります。
舞台設定も琵琶湖近辺と現実的。
完全なフィクションというよりも現実味がある世界観です。
物語の主人公である曇三兄弟。
長男の天火(てんか)は自由奔放な性格と簡単に敵を倒してしまう強さを持っています。
次男の空丸(そらまる)は兄の強さに憧れている半人前。
三男の宙太郎(ちゅうたろう)はまだまだ子供。
空丸は修行をしている身分、宙太郎は子供なので、否応無しに天火が中心となって話が進んでいきます。
物語の鍵となるのは大蛇。
器を作り現世へ転生しようとします。
器となる人物が処刑台に送られますが、その人物は……意外な人が器となっていました。
大蛇が復活するかどうかが見せ場なのでしょうが、その事を通して兄弟の絆や人と人の友情などを描いているように思えます。
近代に移行しつつある日本が舞台なので、少し分かりにくい所もあります。
どちらかというと”腐”の人達が喜びそうな作品でしょうか。
テレビのEDが終わり俳優さんが出演する芝居の宣伝はハッキリ言って邪魔で仕方ありません。
相乗効果を狙っているのでしょうが、自分のように純粋にアニメを楽しみたい人にとってはマイナス要素でしかありません。
イケメンを使って”腐”の人達がターゲットなのかな。
話の筋としては曇三兄弟と大蛇に注目していれば分かりやすくなるでしょう。
特定の女性が喜びそうな作品。
少しでも合わないと思ったのであれば見続ける事もありません。
気が向いたら見てみよう、ぐらいの心構えで見るのが妥当な作品だと思いました。