天啓 さんの感想・評価

4.2
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

不器用な人たちのスピード感溢れるガンアクション

裏社会に生きる不器用な人々の物語
登場人物それぞれ　どうしてそんな生き方になったのか？

主人公ロックを通しそんな彼等を見つめる物語

大手企業の資材部海外課勤務の主人公　岡島録朗（ロック）
会社の機密情報を海外の得意先に移送中　海賊に襲われる
自分の命を守るため、機転を利かせ、彼は海賊（ラグーン商会）の仲間に
彼らと日常をともにするうち、やがて彼等にあこがれるロック
よくある話だが非日常に生きる喜びを見つけただろう

自分の意思に係らず　殺人マシーンに仕立てられた　双子の兄弟（ヘンゼル＆グレーテル）
ターミネーターの様な最強メイド
キリスト教　教会の　シスターガンマン
と魅力的な敵？だったりが登場し、彼らとドンパチ！
そのバトルエピソードでも
なんでそうなったのかが語られます。

ロックはあくまで　彼等を取材するためにある存在
よって彼等の真似はできても、心の底から彼等と同じ生き様を選べない
中途半端な存在
何故そうなのか？　日本人だから
日本人ならどんなクソだめに落とされようが、信じられるのは銃と金だけ
なんて考えにはとうていならない。
普通の境遇に生まれ、ロックの様に会社から裏切られたって、日本じゃ別の生き方がいくらでもできる

自分がロックの立場だったならどうか？
会社に裏切られ捨てられ　そのとき　自分ならどうするのか？
ロックと同じ選択をし悪に身を落とすのか？
負け犬を認め　平和な場所で　地べたを這って（精神的に）生きていくのか？
自分はたぶん　後者だろう　ロックの選択は一見　恰好良いが
結局は悪にも成りきれず、日本でいうところの普通にも戻れない
一番かっこ悪かったんじゃないかな？
とまあ、色々考えさせてくれました

先に　日本じゃいくらでも生きる選択肢があると書いたが
後半、それに一石を投じる物語が展開します
日本のヤクザ社会　
いろんな生き方を選べるにも関わらず　任侠という道しか選択できなかった人たち
ヤクザの一人娘の雪緒ちゃん、そして若頭の銀さん
特に雪緒ちゃんは　レビ達とは違う
レビ達はそれしか生き方を選べなかった　ある意味生きるため仕方なく、その生き方をしている
雪緒ちゃんはヤクザの家に生まれた女子高生　家を捨てようと思えばいくらでも別の生き方ができたはず。

でも、そうはせず、ヤクザの親分の跡目を継ぐことを選択
そ生き方を選ぶのは、相当の覚悟がいったはず
それしか選べなかった人達と　沢山の選択肢からそれを選んだ者の違い
それは、選択する覚悟
その覚悟をうまく表現してくれています。

音楽もとてもカッコイイし、面白かった
でも個人的には　暴力教会のシスター（ＣＩＡ捜査官）　の掘り下げエピソードがもっと欲しかったな