MryvE15360 さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
洋風夏目友人帳?
ジャンプSQ連載中で9巻くらいまでアニメ化。
アニメは終盤オリジナルラストです。
童話のような『夜』の幻想的な世界観が魅力です。
ジャンル的にはバトルものになると思いますが、心理描写が丁寧です。
通しのストーリーはしっかりしていますが、1話完結的な人情味あるストーリーの構成が『夏目友人帳』に似ています。
世界が暗闇に沈み、人工太陽の光で生活する世界。
太陽から離れるほど格差のできる世界。
都市や人里以外には『』と呼ばれる巨大モンスターが出没。
通常の武器は効果がなく、捕まれば『心』を食べられて廃人になってしまいます。
モンスターは『人の心』に寄ってくるため、都市間を繋ぐ伝達手段である『手紙』を運ぶのは命懸けのエリート職。
国家機関/国家公務員である『テガミバチ(bee)』と『ディンゴ(相棒)(大抵は動物)』と呼ばれる配達員がその責務を担います。
モンスター討伐も責務の内です。
難関試験に加え、唯一の対抗手段である『心弾』が放てる事が条件。
ただし、心を弾丸として消費するため限界を越えて使用すると廃人になってしまいます。
作中では『心』『想い』が『心弾』によって視覚化されるため、心弾を打つたびに手紙やテガミバチ達の記憶や込められた想いが幻想的な映像とともに夜空からキラキラと降ってくる様子はとても美しいです。
物語は幼少時にテガミバチのゴーシュに『手紙』として運ばれた少年が、運んでくれたゴーシュに憧れ彼の背中を追いかけてテガミバチとして活躍するストーリーです。
ただし、合格したもののゴーシュはテガミバチを解雇され行方不明。
テガミバチの仕事をしながら彼の行方を追いかけます。
追いかける課程で国家の根幹である『人工太陽』『テガミバチ』とは何なのか、自分の出生の秘密、世界の秘密に迫っていきます。
手紙にまつわるエピソードは夏目友人帳のような、切なくもどこか心温まるストーリーですが、主軸は切なさの方がまさるかもしれません(ハピエンです)。
童話的で幻想的な美しい作品です。
泣き虫主人公に賛否あるようですが、『泣き虫』や感受性の強さは物語の根幹にかかわる秘密があります。
私は原作読者でもありますが、この作品はお気に入りです。