雷撃隊 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ゲームの世界x推理もの
原作既読。
今回はデス・ゲームの緊張感は無いものの推理ものに近い面白さがある。ガンゲイル・オンライン(GGO)なるネトゲで連続怪死事件が発生、我らが最強剣士、キリトが調査に乗り出す。事件の背後にはかのSAO生存者の影が!。
舞台となるGGOはSF世界で銃撃戦をやらかすゲームで世界で唯一現金が手に入るシステムとのこと。メインヒロインのシノンさんはスナイパー・ライフルを使用。その他のプレイヤーはガトリング砲やレーザーガンを使用。さながら「ターミネーター」の未来世界だがキリトはライト・セイバーで戦うので「スター・ウォーズ」の世界に様変わりだ。相変わらずその無双ぶりは凄まじい。でもあんまり強すぎで危機感が無く、存在そのものが勝ちフラグだろう。しかし前半は1期のメンバーの出番が少ないのがやや残念。でもキリトはアスナ一筋でシノンになびかないので好印象だ。
現実とゲーム世界を行ったり来たりしながら事件の真相に迫ってゆく過程が探偵ものみたいで前回とは違った面白さがある。しかしやたらとネトゲの世界でオッカナイ事件が起きるものだ。今回はれっきとした連続殺人事件だ。「デス・ガン」なる犯人はSAOの生還者でプレイヤー殺しの常習者で現実空間でもネトゲ関係者の殺しを行っていた。動機は一種の精神後遺症だ。SAOの傷跡といったところか・・・。
ビジュアル的には普段のファンタジー空間とは違い、ミリタリー・アクション風の空間が新鮮だ。ライト・セイバーをメインに戦いつつ拳銃をサブ・ウエポンとして戦うキリトのアクションがカッコイイ。シノンとコンビで活躍する。でもアスナさんの出番が少ないのが寂しい。まあGGO編はシノンが主役なので潔いけど。文庫2冊を1クールで前回よりも原作に忠実だ。前回よりもシリーズ構成が向上している。
後半はいつものメンバーが勢揃いで活躍する。直葉やクラインたちにも見せ場がある。ALO世界の平和な日常が楽しそうだ。
マザーズロザリオ編は1冊を七話なのでこれまた余裕がある構成だ。正直誰かが死んで感動する話は好きじゃないけどVRMMOと医療というテーマは面白い。主人公はアスナ。ちなみに原作のSAOはキリト(桐ヶ谷和人)の一人称小説だがこのエピソードは三人称小説だ。結城家の家庭の事情も印象深い。あのイヤミな母親がかの林原めぐみとは・・・。親子の対話と和解のシーンはああやはり、と感じたが必要不可欠な場面だろう。いつの時代でも変わらないやりとりで安心する。また会話が無い地の文だけのシーンも音楽と映像だけの演出できちんと再現されている。
梶浦さんの音楽、1期はファミコンを意識した曲が多かったが今回はバンド的な曲が多い。前半はSF映画的な曲で後半はアコースティックな曲が中心だ。ハードボイルドな前半と儚い雰囲気の後半とで好対照だ。
総合的に見て1期よりも原作に忠実に作られていてシリーズ構成が良くなっていた。キャラ描写も2回目ということでキャストにも余裕が感じられた。まだまだ原作のストックがあるので続編希望だ。