退会済のユーザー さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
きみのことを知りたい
児童小説が原作です。
私は本を読んでから視聴しました。
原作ほど掘り下げていませんが魅力は伝わりました。
言葉の選び方が良いです。
心に迫ってくるようなセリフばかりです。
シェイクスピアなどが出てくるのも美しかった。
理想の近未来都市「NO.6」に住む少年、紫苑。
その社会の課程からできてしまった不要な存在 少年、ネズミ。
全然違うふたりが出会い、
「NO.6」の隠された真実を追っていく物語。
主人公、紫苑(しおん)
大人の中で育ったひとりっこ、純粋で人を疑ることを知りません。
自分の感じたことを恥ずかしげもなく言葉で表現します。
特に、このセリフ
{netabare}
ネズミ、ぼくには知らないことが多すぎるけれど、
きみを失うことが、ぼく自身にとってどのくらい怖ろしいことか…それだけは分かっている。
たぶん、誰より…他の誰よりきみを失うことを怖れている。
怖くて、堪らない。
{/netabare}
彼を見ていて私は感じました。
恥ずかしがらずに怖がらずに気持ちを伝えること。
とても大切だと。
そして話を聞きたい。
心配だったのなら、心配したよ、
君のこと大事だよ君の大切なものたち全部私も大切だよ
大好きだよ、と。
とても恥ずかしいですね。
そして拒否されて傷つくことは怖いです。
けれど伝えたい。届かせたいのです。
そう私に思わせるような主人公です。
ネズミ
ネズミといっても16歳の少年です。
中性的でありつつもとても男らしく、いつも紫苑に「甘ったれるな」と叱っています。
強い口調。人に対して断言する話し方。
けれど、私などが触れたら、すぐに彼を傷つけてしまうのではないかと思うほどに実は繊細です。
彼は他人を常に警戒しています。
人に心を見せるな。誰も信じないし、そして自分のことも信じるなと。
今までずっと失い続けてきたから、失うことが怖いのです。
けれど気づかぬうちに紫苑が彼の心の奥に入っていきます。
最初は気づいていない。けれどもそのうち嫌でも思い知らされます。
そんなねずみには紫苑は真っ直ぐ言う
「ぼくはきみの敵にならない。殺されたとしても君の傍にいる!」
ねずみは気づきます。
心の中、失くしたら生きていけないところに紫苑が居ることを。
そして怖れます。
失くしてしまったら生きていけないと。
このふたりの心の繋がり、
決して途切れるはずはないのです。
印象的なシーン、
{netabare}
そんな彼が初めて見せた涙。
ねずみを助けようと、紫苑が人を殺めてしまう。
その様子を見て、ネズミはボロボロになってたくさん泣いてしまいます。
ネズミは知っているんです。
人を殺めることによって元の自分じゃいられなくなってしまうことを。
「変わってほしくない、紫苑のままで居て欲しい」
そう突入する前に言っていたんですね。
もう、彼の中で紫苑は生きていく理由そのものになってしまっている。
それがよく伝わる場面でした。
{/netabare}
ネズミの歌
{netabare}
遠くの山の頂で
雪が溶け
流れとなり
ブナの森で 綠に染まる
鄉は今 花に 埋もれ
花より美しい 乙女が
ブナの森で 愛を誓う
若者よ
綠の水に足を濡らし
鹿のように 猛っておいで
花が散る前に
乙女の髮に 口付けを して
彼の歌は皆の心を癒します。
この歌を聴いていると、ただ無意味に生きてきただけではなく
彼の中、そこには自然の恵み、温かみがあったのだと感じます。
それはとても心地良い歌でした。
{/netabare}
{netabare}
最後のキス色々あると思いますが惹かれあい唇を重ね合わす。
私はBLものは苦手ですが、このふたりには自然なことだったのかな。
{/netabare}
想い人がその人だったというだけ。
性別、年齢、血のつながり関係なく、
ただ惹かれてしまう愛してしまう。
心は大切ですね。
通じ合えたのなら素敵ですね。
周りが何と言おうとその通りに生きればいいと私は思います。
最後がとても唐突でした。
そこがとても残念でした。
もう少し時間をかけてアニメにして欲しかったです。
ずっとレビュー書けないでいました。
分からなかったのです。ネズミの気持ちが。
でも、最近分かったように感じたのです。