野菜炒め帝国950円 さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ミスターフルスイング
て野球漫画あったよね 昔。
妄想代理人・・なんという甘美な響き。このタイトルから予測される内容は例えばエロゲの主人公になりたいというささやかな妄想から油田掘り当てて財団作ってジョースター一族を支援したいとか大それた妄想まで本人の代わりに叶えてくれる人?
そんな優しい世界。素敵な物語。
そんな妄想を打ち砕くかのような実際の内容とは、なんらかの事情で精神的に追い込まれた人をある日ローラースケートと金属バット装備のいかした兄ちゃんが背後からぶちのめすという夢も希望もない内容。
そんな厳しい世界。殺伐とした物語。
そもそも前者の内容だとどらえもんになってしまうではないか。不思議なバットで叶えてくれるとでも言うのか。
本作品はこのバット少年。通称少年バットの正体を探るため2人の刑事が奔走するというのが主軸となる。
そういや今話題のツマヨウジ君もこの物語風に呼べば「少年ツマヨウジ」になるのか。なんと悲しいまでに弱そうな響き・・。
この妄想代理人。
序盤の掴みというか展開がほとんど神がかり的に面白い。非常に興味を引く。
なんせ少年バット(面倒なんで以後B)の正体が全くもって予想出来ないのだ。それに加えていかにも意味ありげに出てくる爺さんと意味不明の数式。
毎回ゲストのように現れて陰鬱な話を見せてくれたと思ったらBに殴られて退場していく濃いキャラたち。
気付けばすっかり妄想代理人の虜だった。
ところがそんな蜜月の関係もいよいよ破局を予感させてくるのが中盤付近。
ダーク♂尺余りでも起こした穴埋めなのかと思わせるような本筋とはあまり関係のない回が数話挿入される。
それまでBの正体なんなの?とワクワクしていた自分にとってはとんだおあずけ。焦らしプレイ。
それでも終盤まで視聴した私に対するご褒美はとんだ力技による物語の締めとBのなんとも言えない脱力感を感じさせる正体だった。
(どうしてこうなったAA省略)
実際のところこの物語を初見だけですべて理解しようとするのはちょいと無理があるのかもしれない。
この物語全話と考察サイトはセットであるとも言える。
逆に言えば物語を見終えても考察サイトによる謎解き?も楽しめる美味しい作品なのかもしれない。
只、悲しいかな。考察サイト見て最も納得して「おーそうだったのかー」と軽く感動した話は本編とはおおよそ関係の薄い8話「明るい家族計画」だった。
肝心な本編の考察の感想は、「あーうん。へー・・ソウナンダ」 なんでやねん。