karinchaco さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
青春群像劇アニメの見本のような作品。
ラノベ(電撃文庫)原作のアニメ。
このアニメは、一言でいうならば青春群像劇です。一応主人公は竜ヶ峰帝人くんという高校生なのですが物語の性質上いろいろな視点からザッピングしていくため中心人物というほうが適切ではないでしょうか。
その他にも、中心人物には帝人の親友 紀田正臣。帝人と正臣のクラスメイト 園原杏里。池袋に現れる謎の首なしライダー セルティ。新宿を拠点に暗躍する情報屋 折原臨也。池袋最強の男 平和島静雄。とまあ、6人ほどあげましたがこのほかにも物語に絡んでくる人物はまだまだ沢山います。
これらの登場人物それぞれの視点で物語が交錯し、別角度から語られるために非常に複雑な構造になっているのですが、よく見ることで物語がよくわかるようにできています。
なので、最初はちょっととっつきにくいかもしれませんが見続けることで私は楽しくなりましたよ。そして、2週目を見ると物語の構造がより理解することが出来て、もっと楽しめました。
さて、ここからは気になった点をいくつか挙げたいと思います。
{netabare}・ダラーズの存在感について
のちに帝人が創設者だと明かされる池袋に根をはる無色透明なカラーギャングのダラーズ。ネット上作ったはずなのに池袋のみを拠点にしているというのが少し矛盾を感じました。どうしてもネット上だと地域関係なく人が集まってくるはずですし、そこに地域を限定してしまうとどうしてもリアルでの関係性が付きまとってしまう。
たぶん作者はそこの矛盾を理解したうえでフィクションのギミックとして盛り込んだのは間違えないと思いますが、作品の肝になる部分なのでもう少しリアリティがあれば最高だったと感じています。
・タイトルの四字熟語について
この第1期のタイトルは四字熟語で統一されています。わたしも、昔ブログのタイトルに四字熟語を使っていましたが、アレなかなか難しいんですよね。ピッタリくるのがないんですよね。私の場合は勝手に四字熟語作っちゃったりしてね。この作品のすごいところは、その四字熟語が物語の内容にちゃんとリンクしているのが素晴らしい。三国志ファンとしては「蒼天已死」「黄天當立」がとても好きです。
・電撃文庫のステマについて
劇中で遊馬崎と絵理華がよく電撃文庫のタイトルを言ってステマしてますよね。普段から電撃の作品って別作品を劇中で紹介したり、格ゲー出したり、とクロスオーバーすることがおおい気がします。これは、人気作を多く抱えており編集部がしっかりしていないとできないことなので、さすがラノベレーベルの最先端といったところでしょうか。ただ、最近ではこのステマの手法はGA文庫作品も増えてきましたよね。
{/netabare}
青春ドラマは群像劇というのは過去のアニメでもありましたが、ここまで、設定の詳細が練られていて、物語の深みがあるものはなかったと思います。今後の群像劇アニメの一つの目標点になりうる作品ではないでしょうか。
2015年から分割3クールで第2期が始まりました。すでにご覧になっている方もいるかもしれませんが、途中からでいいので第1期を見ていただくとより深く2期が楽しめると思います。