## さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
本当に大切で、大好きなもの
この作品を見るのは2度目になります。一度目はそれほど面白いと感じませんでしたが、色々なアニメを見て、触れてきたからこそ、今回の視聴でこの作品の良さを感じることができたのかな、と思います。
さて、この作品が伝えたかったことはなんでしょう。
音楽のすばらしさ? 確かにそうかも。
友達がいることの喜び? う~ん、何か違う気が・・・。
このアニメが伝えたかったことは「本当に大切な、大好きなもの」だと僕は考えました。合唱部の各キャラはそれぞれ「本当に大切な、大好きなもの」を持ち合わせています。来夏にとっての歌や紗羽にとっての馬、和奏にとっての音楽、etc...
それが大切なものであるから、諦めたくないから。その思いでこのアニメの物語は紡がれたのだと思います。
テーマを考察するのはこれぐらいにして、このアニメを見ての感想を。
ひとつは伏線がしっかりとしているところです。1話にはもう廃校の伏線が張られていたんですね。文化祭に来てくれた観客のなかにスイカのおばさんや生意気なガキが出てきた時はやられたと思いましたw
あとは空の雲の絵がきれいでした。ここはこの作品でこだわっているところなのかな?本編では空の形は同じものはなく、OPでも美しい雲が描かれていました。自信がないのですが、これはお母さんが「遠くの好きな人に届けるため」というセリフを残していますが、それに関係して音楽はどこまでも続く自由なものだと暗喩しているんでしょうか、さすがに考えすぎですかね。
最後に、和奏は「みんなで一緒に歌ったら、多分卒業してばらばらになってもこの歌を聞くたびにみんなのこと思いだすよね。~中略~いつかまた苦しいことに出会ったとき、たくさんの人に応援してもらったこと思いだして諦めずに頑張れるような気がする。」と言っています。これは和奏が、母と共に作り上げた歌を通じ、母に思いを馳せていることから来たセリフだと思います。きっと本当に大切な、大好きなものを介し、時を超え、場所を超え、皆通じ合える。そんな夢ある想いを歌に乗せ描いた物語、それが「TARI TARI」なのではないでしょうか。