しゅんこう さんの感想・評価
2.7
物語 : 2.0
作画 : 2.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
落差が激しくて評価が困難
原作未読
原作ありきの作品ゆえか、よくも悪くも忠実に描かれているのだと思う。
全体のテンポもよく、一見まとまっているようにみえる。
アイディアもいい。
最近の流行の漫画の特徴か残酷なシーンが多め。
{netabare}
サイコパスな彼女が主人公をひたすら守り続ける姿は一貫していて好感が持てる。手段はともかく。行き過ぎた愛は狂気と紙一重というメッセージもなんとなくわかる。でも各パートごとに描かれるラブコメーパートの雰囲気を生かして、全篇がサイコパスヤンデレコメディとしてなら笑って観れるけど、戦闘パートでやりすぎるせいで、笑えない。
結構な人を殺しているのに、(サイコパス彼女の本人は置いておいたとしても)周囲や主人公の対応が普通すぎる。大量殺人をしている彼女に対し、監禁されてようやく危険を本気で考えてる。ストーカーの部分に異常に反応しておびえていたのに、殺人の部分にはあまり深く考えるようなそぶりは見られなかった。普通なら即逮捕なのだが、自分を守ってくれるという理由だけでは軽い気がした。人が傷つくことや人の死が軽く描かれすぎな気がする。
愛がテーマならもっとはやく彼女を本気で更正させようとするか受け止めるかするべき重いテーマなのに、距離をどうおくかばかりの話が終盤まで続いていてスッキリしない。主人公のへたれぶりにも程がある。自分が人を傷つけることにはかなりためらいがあるようだが、かえってその鈍感さのほうが狂気に見える。バランスがおかしい。
登場キャラクターが個性的でおふざけな設定がたびたび描かれている。
戦闘パートとの落差が激しくてこれも大切なシリアスな場面もゲーム感覚に見えてしまう。
おふざけコメディパートの出来は優秀。わざと残酷なイメージを薄めるためにやっているキャラ設定なのかわからないが、そのわりに残酷な表現をかなり入れているので、やはり全体として中途半端な感じになっている。そんな残酷表現は消費コメディと同じで重みがない。表面上、さらっとながれていって後には残らない。ソリッドシチュエーションスリラーの映画の感覚に近い。アニメで扱うからにはきちんとその重みも表現して欲しい。西洋映画のスタイリッシュ感覚で扱うものではないと思う。
一番の問題は主人公の中学校を爆破したテロリストと行動を共にしたり、教えを受けているところだ。当のテロリストも学校を爆破するぐらいぶっとんだことをやっているのに全然ためらいがない。にもかかわらずうぶな少女のように描かれている場面が多く、普通に信頼されていることに違和感を感じた。たいした内容ではない電話のやりとりで一方的に刑事と協定を破棄している場面でも、テロリストになんのメリットもない。
子どもが爆破されて傷ついている場面はどんな場面であっても必要ないと思う。どうしても入れたいなら、その重みもちゃんと扱って欲しい。軽すぎる。
終盤でようやくサイコパス彼女と向き合うことになるが、きっかけは彼女の正体がばれること。でもここまで来るとばれたとしても特に問題ないくらいの状況のように思う。たくさんひどいことしてきたし、あの彼女なら自分の思うように説得でも何でもできるはず。正体ばれたくらいでかなりあわてている。何が問題なのかイマイチわからない。
{/netabare}