るるかん さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
人間を客観的に見るということ
この作品の内容は本当に意義深い。
初めて見た時は海外のアニメかと思った。
この作品ができた時期を考えると、視点が鋭いし、
娯楽という観点で作成した感じでもないのが凄い。
子供向けという感じでも無かったが、なんだか不気味な
感じが、怖いもの見たさの子供の時分に訴えかけるもの
があった。夏休みごとに再放送されていたものだったが、
別にホラーというわけじゃなく、私がこの話の深みに辿りつ
いたのは、高校生くらいだったかな・・・と思う。
べロは人間になりたくて、人間とのコンタクトを取る
わけだが、子供達はベロを妖怪とは思わないで接して
くれることが多かった。そんなわけで、人間社会の
醜いひと幕を目にしていき少しずつ、人間のいい部分と、
醜く愚かな部分を目にする。そして、一話ごとに振り返り
ながら話が終わる。
人間ってどうして・・・という事案に遭遇するたびに
妖怪のままでいた方が…と思う気持ちと、それでも
人間になりたいと思う気持ちとの狭間で考えることが
多くなるわけだが、そこがこの作品の命題なのだろう。
人間になりたいから、人間には危害は加えない。
人間になりたいから、人間のために悪霊や他の妖怪と戦う。
しかし、
人間には見えないから、迫害を受け、
人間には見えないから、忌み嫌われる。
そして人間の愚かさや醜さを目の当たりにして、
人間になることが正しいのか考えることとなる。
人間とはなんぞや?を問うた作品で、色々な面で、
改めて人間というものを考えさせられる作品だったと思う。