青陽 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
夢中で〈速く〉駆け抜けてきた
昔、TV放送中に面白いと噂に聞いて
「ほうほう、そんなに良いなら見てみよう」と
初めて観てみたら
ちょうど最鬱回
ニーナの話だった…。
OP:メリッサでテンション上がってからのあの本編、激しい落差。
その頃の僕はまだ幼く、精神的衝撃は大きかった。
…次週からは観なかった。
…そうしてハガレンをよく知らずに成長し、後にまたアニメ化された。
「鋼の錬金術師FA」
原作と同一進行でアニメも放送され
時を同じくして最終回を迎える、という素晴らしく胸熱な企画でアニメ本編も満足のいく出来だった。
そこから更に時は流れ
旧作から10年近く経ち
鬱ストーリーや残酷な描写にも耐性がついた状態で
再び旧作を視聴
…名作でした!
SHIROBAKOで木下監督の受賞シーンが描かれてたけど、これは受賞するのも納得。
FAを観たときのように
その世界観に触れるのが遅くなったことを再び悔やんだ。
そもそも本作が制作されたときは
原作がまだまだ途中で大幅なアニオリ展開。二次創作って感覚で作られたらしい。
当時、原作ファンの人がこれをいきなり観たら戸惑うことも多かっただろう。
先にFAで原作通りの結末を観ていたからanother storyとして
より楽しめたのかも。
違いとしては
FAと比べると
グラトニーやホーエンハイムは活躍が少ない。ってか良いとこなしに近い。
キャラの描かれかたの違いは多々あるが、序盤で出ていた限られたキャラを上手く活用していて
非常に練られた物語だと思う。
ただかなり暗い。ロゼが軍部に暴行されたことを暗に示したり、アニオリ版 等価交換の真実、タッカーさんの結末やエドの最期など夕方に放送するにはけっこうキツいものがある。
他の大きな違い
・ホムンクルスの設定
FA(原作)お父様が創造→[本作]錬金術師が生み出した人体錬成の失敗体を紅い石で成長させてできたもの
↓
大総統の息子、スロウスに代わって
師匠の赤ん坊 、エルリック兄弟の母親
がホムンクルスに。
主従関係も変わっていて
【FA】創造主であるお父様を崇拝→【本作】ダンテによってホムンクルスから人間にしてもらうため、というビジネスライクな関係
ラスボスも
お父様→オリキャラのダンテに
・錬金術の発動
物質+自然エネルギー→物質+別世界の人々の命
結末はどちらもありだとは思うけど、ウィンリィのことを思うと原作のほうがいいかな。
OPテーマソングはこっちのほうが好き。ポルノ ラルク アジカンなど豪華アーティストの名曲ぞろい。中でも「READY STEADY GO」が一番好き。タイアップでもしっかり物語をイメージした歌詞になっているのがいい。
ライブ動画もめちゃテンション上がる!
冒頭のナレーションもこちらの方が好きだった。
人は何かの犠牲なしに何も得ることはできない。
何かを得るためには同等の代価が必要になる。
それが、錬金術における等価交換の原則だ。
その頃僕らは、それが世界の真実だと信じていた。
<第43話アル賢者の石に変化後~>
賢者の石…それを手にした者は、等価交換の原則から解放される。
何かを得るために代価を必要とすることもない。
僕らはそれを求め、手に入れた……
戦闘シーンの迫力や
EDの曲はFAのほうが好きだったかな。 特に福原美穂「LET IT OUT」名曲!本当に名曲!!
他に音楽でいうと
劇中で使われた
ベートーヴェンやショパンなどのクラシック音楽も作品の雰囲気に合っていて非常に良かった。荘厳な雰囲気のクラシックだけが浮いてしまうことはなかった
舞台がヨーロッパっぽいからかな。実際のドイツも出てきたし
ストーリーとしてはシャンバラにて完結。こちらも名作だった。それはまたシャンバラのほうで。