pister さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
鉄のラインヴォルン
この作品の制作をしてるXEBECというと、To LOVEるやマケン姫のようなお色気系が得意なような印象を持たれてるかもだけど、硬派を目指して作った?(と思われる)ヒロイックエイジは個人的に非常に評価が高く、そこがロボものをやるというので「おお、ヒロイックエイジのXEBECが帰ってきたか?」と期待して視聴。
(ついでに言うとゾイド放送当時、CGのクオリティの高さには驚かされたもんです)
で、実際に見てみた感想は…ま、まぁこんなもんですか。
やっぱりというべきか、いくら新型の試作機だとはいえ主人公機の性能高すぎない?
思念操縦で操作しやすい=反応が早いとか精密な動きができるとか、パイロットの(肉弾戦での)格闘技術がそのままロボ操作にフィードバックできるとか、そんな理由で強いってことなら違和感ないけど、なんか装甲すら既存の兵器とは一線を隔してるみたいだし…。
で、その強すぎるロボの性能に慢心してなのか、どうにも主人公は生への執着が薄いように見える。
それこそ「姉の死の理由を知るまでは死ねない」といって泥水すすってでも生き残ろうという気概は見られない。
死んだら死んだでそれまでよ、というなんとも捨て鉢な感じが…。
序盤の主人公の命令違反がダメだという方の感想をよく目にするけど、これも「生き残るために命令違反した」って理由だったらそんなに反発招かなかったんじゃなかろうか。
とはいえ、ワンサイドゲームも途中までで、中盤からはライバル機が登場。
この点は評価ポイント。
そりゃあ滅茶苦茶強い兵器があったら真似されますわ、兵器開発はいたちごっこですわな。
この作品の場合は開発してるトコロが一緒って背景もあるけど。
で、ライバル機との戦闘の最中は「強力な機体を手に入れて増長しまくってる主人公の鼻っ柱折ってやれ~」と、あれ?どっちを味方するのかアベコベになったり。
この感覚は前にもあったぞ…ああ、鉄(くろがね)のラインバレルだ。
あっちはワザとそう仕向けさせてるフシがあったけど、これもそれと同じ作りを目指してたのかな?(クロガネとシロガネでなんか関連ありそうだし)
出来ればキベルネス社は関係なく、対アルジェ用兵器とか対アルジェ作戦とか展開する話もあったほうが作品に深みが増した気がする。
というか某お禿様だったら主人公は一度捕虜にさせると思う。
中盤以降は軍上層部のイザコザが描かれるようになるけど、これって視聴者には見えてるけど主人公は与り知らぬことなのよね…。
敵に対しこれといった感情が無いってのはどうなんだろう?(一応故郷が蹂躙された隊員は居るけど)
姉の死の真相を知った後は、もう主人公は戦う理由が無くなったというか、惰性で軍人続けてますってだけになっちゃったような?
というか戦争の理由ワカランし…。
敢えて恨むべき対象を挙げるとしたら姉を死に追いやったユーリンクシステムを開発したキベルネス社になると思うのだけど、そっちに牙を剥くことも無し。
どうも一貫して主人公はフワっとした存在のままだったように感じる。
良いか悪いかで言ったら、やっぱり良くなかったんじゃないかなー?
視聴者側的にもキベルネス陣営は営業マンが一人射殺されただけで概要が見えないまま…というか、ユーリンクシステムは健在だよね?科学者は誰も失ってないし。
ってことで、続編を作る気になればいくらでも続けられる終わり方をしたけど、これ、続きが作られることはあるのかねぇ?
あんまスケベ心は出さず、ビシっと〆て貰いたかった。
と辛口な感じになってしまったけど、全体的にはそんなに悪くはない。
悪くはないのだけど、いま一つ特徴が無いというかのっぺりしてるというか…。
やっぱり主人公の動機付けと、行動から読み取れる意思の強さが感じられなかったのがネックなのかなぁ。