退会済のユーザー さんの感想・評価
4.2
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
タイトルなし
もしかしたら、玩具には命が宿っているかも。
そんな、子どもならば誰もが一度は考えたであろう夢を再現したのが本作。
持ち主が居ない場所で動き回る、夢のような玩具達。
しかして本作は、夢見る玩具――ウッディとバズによる、現実認知のお話なのだ。
自分がアンディにとっての一番。他の玩具に比べても優遇されるその立場は揺らぐことがない。
そう信じてやまないウッディの理想はバズの登場によって脆くも崩れ去り、スペース戦士という立場に自信とプライドを抱いているバズは、自分が戦士でもなんでもないただの玩具であるという事実に直面する。
理想とかけ離れた現実を受け入れるのは、容易なことじゃない。
自分の立場を守ろうと躍起になるウッディの器の小ささ、信じていた自分がただの理想でしかないと知った時のバズの意気消沈っぷり。どちらも身につままされるというか、すごく共感できる。
だからといって、理想と違う現実も、そう悪いもんじゃない。
アンディにとっての自分は必ずしも一番とは限らない。しかし、大きな冒険を通してウッディが知ったのは、例え一番じゃないとしてもアンディは自分を大切に想ってくれているという事実。
自分がスペース戦士じゃないと絶望したバズにかけられたのは、自分を必要としている男の子がいて、そんな自分を羨望する声。バズ・ライトイヤーの玩具だからこその存在意義。
夢のような設定なのに、夢と片づけない現実的なお話。それを、その厳しさを前面には推してこず、あくまでも娯楽性の高いコミカルな作品に仕上げている。良い作品だわ~。
欲を言えば、シドへのお仕置きシーンは、もう少しなんとかならんかったのだろうか。
本編中でも本人らが自覚しているとはいえ、流石にあれはルール違反だろう。
玩具を大事にしなさい、という教訓を盛り込みたいのであれば、あそこはウッディらの作戦によってシドの玩具の扱いを母親に露呈させ、怒った母親にこっぴどく叱られる、なんて展開でもよかったんじゃないかなぁ。
劇中でシドは部屋を出る時に鍵をかけたりしてるし、妹へのイタズラがバレかけて焦るシーンなんかもあったのだし。
不満と言えば、それぐらいかな。
とにかく、終始楽しい作品だった。序盤のウッディの姑息ささえ受けれれば、どんな人でも楽しめると思うよ。