退会済のユーザー さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
鬼太郎の誕生
墓場鬼太郎。ワタシはゲゲゲしか見たことがないし、ゲゲゲが好きだったはずが、こちらが本物であると直感ですぐ感じ取れたし、これが鬼太郎だ!だなんて、当時見ていて思い出したかのような補正まで付く始末。何と言うか自分のような下賤なにわかが、物差しで計っていいのか、これはどれだけ掘り続ければ底があるのだろう、だなんて大層な妄想まで浮かんでくる。
ゲゲゲの方は人間の味方でヒーローの妖怪だったのに対し、墓場では、まず鬼太郎が墓から生まれる瞬間から物語は始まる。この誕生は歴史的にも、映像としても、色んな付加価値がついてくるであろう瞬間で、まさに鬼太郎が百鬼夜行を連れているかのよう。(大袈裟)
ただ、本作。鬼太郎の中の人が野沢雅子さんで、「お父さん」と目玉の親父に言うセリフから始まり、どうしても、いや多分ドラゴンボールを観ていた誰もが悪い悟飯君が喋ってる声色に聞こえるハズ。こんな声聞いたらチチが「不良になっちゃた」と言うどころか目玉が飛び出て、目玉のおかんになるでしょう(寒)
それましたが、こちらの世界では鬼太郎は人間の学校に通っているようで、おばけの学校はございません。人間の味方でもない。むしろ鬼太郎に関わった人は不幸になり、その様を嘲笑し「父さん、人間っておもしろいですねぇ」とぼやく始末。善悪も何もなく不気味に、ただただ楽しく。
高度成長期をわざわざ舞台にした墓場鬼太郎。「楽して、ぐうたらに生きる」を座右の銘にしている水木しげる氏の自叙伝に私は思えてならない。OP曲「電気グルーヴ」ED曲「中川翔子」と言う誰得を狙っているのか不気味なキャスティングも、これまた墓場鬼太郎なのでしょう。