「白銀の意思 アルジェヴォルン(TVアニメ動画)」

総合得点
55.6
感想・評価
304
棚に入れた
1590
ランキング
7496
★★★★☆ 3.1 (304)
物語
2.8
作画
3.1
声優
3.2
音楽
3.1
キャラ
3.0

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

戦争ドラマ、部隊ドラマ寄りの地味なロボットアニメ。個人的には高評価です

2014年、その前年2013年とロボットアニメの激戦区…から敗退してしまった感のある、地味目なロボットアニメ。
あにこれでも酷評多く、他でも(M3と並んで)空気気味な不人気アニメ。

…なのですが!個人的にはかなり評価の高い作品です。
地味ながら主人公サイドの人間関係は丁寧だし、戦争ドラマとしても一応纏まっている。
メインヒロインのジェイミーちゃんは個人的に2014年度ロボットアニメヒロインでは一番可愛かったです♪


{netabare}『物語』
とある事情(戦略兵器が使われて磁気が乱れてる?)で「航空機が使えない」世界観で繰り広げられる、2国間のロボット使った戦争が描かれる。
主人公のススム・トキムネは「トレイルクリーガー」という人型兵器のパイロットとして、前線部隊の一員として戦っていたが、ある日、軍事産業から派遣されたエンジニアのジェイミーそしてジェイミーが担当する新型ロボ「アルジェボルン」と出逢い、アルジェボルンや両国の思惑に翻弄されながら戦っていく…。

雰囲気としては2国の前線部隊同士の戦争物。
(ゲームだが、フロントミッションみたいな雰囲気)
人型兵器だけでなく既存の軍事車両や歩兵も活躍したり、戦争物として中々面白い。
自国にも獅子身中の虫が居たり、敵さんも一枚岩でなかったり、色々と政治要素も面白げな雰囲気。
なのだが、そこら辺は些か中途半端で、本作の評価が上がり難い一因かも。
…他のレビュアーさんも散々指摘されている通り、戦争物としては戦略戦術が甘い面もあるのだが、私あまり拘らないので別に悪く無いと思ったです。
無口でストイックだが人望厚い名指揮官・サモンジ隊長以下、部隊の雰囲気が割と和気藹藹していて、どことなく部活物っぽい雰囲気も。
いやいや、戦争やってるのに部活物w
戦争やってるのに味方は誰ひとり死ななかったり。
真面目な方はここら辺評価落としそうだけど、不真面目な視聴者的にはこの雰囲気が割と良かった。

序盤はトキムネが命令違反しまくる。
まあロボットアニメ主人公のお約束ではあるのだが、一応正規軍人なのにアカンだろ…と思ってしまうのはマイナスだった。
とはいえトキムネは次第に成長するし、ここら辺のサモンジ隊長との関係性ドラマが後々物語の主軸となっていくので、全体構成は悪くは無いです。

本作もう一つの見所は、ヒロイン・ジェイミーとトキムネの微笑ましいラブコメの波動にあり。
露骨にラブコメやる訳ではないが、二人が次第に信頼関係深まっていく過程が微笑ましい。
サモンジ隊長と副官のスズシロ曹長(と、亡きトキムネの姉レイカ)の、大人の愛情劇も見所タップリ。
アルジェボルンの非人道的システムにまつわる陰謀を縦軸に、レイカとサモンジ、スズシロ、トキムネ、ジェイミーらの想いを横軸に、物語が紡がれていく。
白銀(しろがね)の意志。
人の意志が、戦争の中で陰謀に翻弄されながらも、最終的にそれぞれ答えを出していく流れは、終始面白かったです。

…ラストは一応の決着は付いたが、それって根本的な解決にはなりませんよね?な感じ。
戦争はまだまだ続きそうな感じだが、人気的に二期は絶望的、半端なラストもまた本作の評価を落す要因か。
とはいえトキムネとジェイミー、サモンジとスズシロの関係は一応の整理が付き、後味は悪く無いです。

総じて
地味目な戦争ドラマ。
本格戦争物としては色々と甘い部分あり。
ラブコメとしても(地味だが)中々。
ラスト中途半端だが、ドラマとしては悪く無い感じ。
不人気なのは仕方が無い部分もありますが、色々と大目に見られるならば、個人的には好きだったアニメです。


『作画』
女性陣のキャラデザは可愛くて味がある。
絵的な綺麗さではアルドノアに敵わないが、個人的にはこちらが好き。
主人公のトキムネがモブと見分けが付かないくらい地味w
ロボットバトルはリアル路線の中で一騎スーパーロボットが無双する感じ。
厳しいロボットファンからは酷評多い模様ですが、私的には悪く無かった。
主役メカのアルジェボルンよりも、量産機のがカッコ良い気がするw

『声優』
逢坂良太さんは、良くも悪くもウザい主人公らしさが出ていた好演。
ライバル・リヒトさんの櫻井孝宏さんの方がイケメン度高い。
ジェイミーの大西沙織さんが良かった。ジェイミーの魅力存分に引き出していた。
スズシロさんの大原さやかさんも色っぽい。
カイエン准将の小山力也さんの胡散臭さ満点も良かった。
全般に声優陣は優秀で配役に合っていたが、若干地味かもしれない。
速水奨さんが敵国指導者、もっと出番あればなぁ。

『音楽』
前半(というか殆ど)OPとEDは悪く無い曲だったが…地味。
後期(というか2クールでようやく17話目から)OPが中々の良曲、なのだが、遅すぎる。
個人的には悪くは無いと思うのだが、音楽面でも地味で評価上がらなかったのでは。
…後期OPの歌詞「~飲まれるな」の箇所でシステムに飲まれちゃったリヒトさんのドアップ、これ狙ってるのかwww

『キャラ』
主人公のススム・トキムネの序盤の空気読め無さが響いてしまった感。
主人公らしからぬモブ顔で地味なキャラであったが…
物語を通して着実に成長していくので、悪くは無い主人公です。
ヒロインのジェイミーちゃんが非常に可愛くって魅力的だった。
個人的に、ヒロインの魅力に関しては2014年度ロボットアニメ最萌です。
ガンダム0083のニナ・パーブルトン的なポジかと思いきや、適度にポンコツで可愛い。
未熟な二人の成長と微笑ましいラブコメこそが本作の肝だった。
後輩パイロットのナミエちゃんは可愛かったが、ジェイミーの正妻ポジを崩す事は出来ず、惜しいキャラであった…。

無口ストイックなサモンジ隊長の方が、キャラとしては主人公っぽかった。
レイカを失った葛藤など、サモンジのドラマの方が本作の軸であり、実はサモンジ隊長も主人公だったのでは。
そのサモンジを見守り続けた正妻ポジのスズシロさんも魅力的。

その他のキャラは名前覚え切れずとも層は厚く、良き仲間達だった。
整備班の娘たち可愛いし、兵士一人一人がきちんと個性的に描かれている。
敵も強力なライバルキャラのリヒトさん等、キャラ立っていた。

…ニコニコ動画では妙に大人気だった、シーカー曹長。
彼の先行偵察やトラップ爆破のワザマエが、主人公達の勝利の秘訣だった。
シーカーさんが活躍すると勝利フラグ!
その頼もしさ故に「さすがシーカーさん!」「さすシー」と呼ばれていたw
ロボットアニメなのに、ロボットに乗らない偵察兵が一番活躍するとは…{/netabare}

投稿 : 2015/01/23
閲覧 : 376
サンキュー:

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