runa21 さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
大人と子どもの境界線
クレヨンしんちゃん好きな友達に
一番おすすめの映画は?
っと聞いたら、これを進めてくれました。
一番有名なのは戦国だけど、
自分はこれが一番の名作だと思う。
と言って進めてくれたのですが、
その言葉に違わず、とてもよかったです。
一番いいポイントは
ほかの方のレビューでも書かれていましたが、
やはりヒロシの回想シーンでしょう。
親から子へ、
そしてその子が親になり
自分の子どもへ
受け継がれていく様子が
伝わってきます。
ヒロシの回想で、
ミサエと出会って、
しんちゃんが生まれたあたりから、
ヒロシの顔つきががらりと変わるんです。
多分この瞬間に
ヒロシは「大人」になったんだと
なんとなく思いました。
あと、印象だったのは
しんちゃんが
妹であるヒマワリにとても優しいこと。
ヒマワリが食べたいとしぐさで表せば
自分のお菓子を分け与えてあげるし、
飲み物が飲みたいといえば
自分のジュースを分けてあげている。
その様子が
「えらいな~」
っと単純に思いました。
姉の子どもたちは
こんなに下の子にやさしくありません(ひどい)
いや、なんといいますか、
子どもって、自分の欲求に素直で、
好きなものは、貸すことも嫌なんですよね。
自分のものを分け与えるのでなく
下の子に奪われるって感じるものなんです。
だから、ヒマワリにたいするしんちゃんの態度が
ものすっごく意外でした。
自分はテレビアニメの方は
ヒマワリが生まれたあたりから
見ていなくて、
正直しんちゃんがお兄ちゃんになるなんて
信じられなかったのですが、
この映画を見て考えを改めましたね。
そしてクレヨンしんちゃんならではの
笑いが随所にちりばめられていて、
しんみりするところあり、
笑えるところあり、
くだらないところあり、
で、物語全体の緩急が優れていると感じました。
この映画は子ども向けかもしれないが
大人こそが見るべき映画なのかもしれない。