蒼い✨️ さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ほっこり、しあわせごはん。
両親に育児放棄され独り寂しくアパートで暮らす、20代のOL並のボディを持つ中3少女・町子リョウ。
見た目は子供!胃袋は鋼鉄!リョウの料理は、なんだって食べる!リョウのハトコで中3の少女・森野きりん。
外観は普通の狭い独身アパートなのに、中はマンション並に広々とした謎の作りの部屋を舞台に繰り広げられ、
毎度、女の子がハフハフご飯をかっこむハートフルクッキングアニメ。それが「幸腹グラフィティ」です。
リョウは元々は祖母と一緒に2人でアパートに住んでいたのですが、
祖母が亡くなってからは、心にポッカリと穴が開いた日々を送っていました。
リョウときりんは美術系の高校に進学希望で、
受験合格を目指してリョウも在籍してる美術系の予備校に通うために、
きりんは週に1回リョウの部屋に泊まりに来ます。
そこで料理を通じてリョウときりんのココロとココロが触れ合い、
同級の椎名さん(メインキャラ)とか色んな人とも仲良くなっていく、そんなお話です。
料理漫画というジャンルは大昔から確立されていますが概ね他の作品では、
「○○産の天然食材に無農薬有機栽培の○○!お前に、これ以上の材料を揃えられるかな?」
「勝負だ!お前なんかには絶対負けないぞ」
「どうや、この完璧な仕事!お前ら、わいにひれ伏せい!」
「この豚バラ煮込みはできそこないだ、食べられないよ。」
幸腹グラフィティは、そんな世界とは無関係!
味自慢も薀蓄披露もありませんし、どっちの料理が上なのかという勝負もしません。
料理で身近なトラブルから政治問題までといった解決の手段にもしません。
可愛い女の子がスーパーで購入した食材で料理を作って、
ひたすら一心不乱に幸せそうにペロリ平らげながら、
女の子同士でベタベタしながら笑顔たっぷりにキャッキャウフフするだけ!
ただそれだけの日常アニメでありますが、だからこそ食に純粋なのかもしれませんね。
このアニメのテーマは、「誰かと食べるご飯は美味しいし幸せだね!」ということで一貫しています。
毎回毎回おんなじことを繰り返してる感じでストーリーに変化が少ないのですが、
季節で食材に変化をつけたり可愛い女の子を清涼剤にして乗り切っている感じです。
坂本真綾さんの主題歌に、キャラソンのED、予告曲、提供曲、歌は口ずさみたくなる秀逸さですね!
アニメは明るい雰囲気で絵面としては悪くはなかったのですが、
冒頭で書いたとおりリョウの両親がひどいですね。
老いた母親(リョウの祖母)と幼い娘(リョウ)を残して海外暮らしから帰ってこずに仕事三昧。
娘(リョウ)の15年間の人生の半分以上、生き別れに等しい親がいない生活。
育児放棄と言われても否定できませんね。
妹(リョウのおば)に様子見させて家賃と生活費出してれば良いの?親の所業じゃありませんね。
もしかして祖母の葬式のための一時帰国すらしてないんじゃないの?との疑惑が。
娘(リョウ)を妹と同居させるか自らが住む海外に呼び寄せるべきですね。
と、設定に無理を感じたのですがあんまり細かいことを考えないほうが良いのかもしれませんね。
画面に見えてることが全てっということで作品を楽しみましょう。
しかしこれは、リアリティの無いアニメですね。
やたら、だっだぴろくてセットみたいなお部屋、アパートのお風呂じゃないですしアレは。
一食のためにオムライスを何度も何度も作り直しますし、
二人で食べるために気軽にウナギを一匹買いますし。(2000円ぐらい?)
料理が完成したらカメラ目線で皿を持ち上げますし。
実は町子家はブルジョワなのでは?と疑惑が。
このアニメは色気を強調した個性的な食べ方をしますが、
昨今の料理漫画は「食戟のソーマ」など殆どがリアクション芸をやってるので、
特に批判には値し無いと思います。
作り手にとって一番怖いのは無関心だから、
目を引くように敢えてこういう作りにしてるのかな?と思ってみたりしました。
やたらカメラ目線も気になりますが、筋書きがあって撮影されている料理番組として見れば問題は無いですね。
あまり褒めていませんが、これにて感想を終わります。
ここまで読んで下さいまして、ありがとうございました。