plm さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
悪いのはきみじゃない
「フロントウイング」よりアダルトゲーム原作、学園・恋愛アドベンチャーのアニメ化作品。
学園・恋愛ものといえど、さすが18禁ゲーム原作といったところ、
グロ描写にエグイ展開のオンパレード。恋チョコのノリで見てはならない……。
■ストッパーの存在しない、欲望のままの創作
18禁ゲーム原作の強みであり汚点でもあるのが、その自由すぎる描写。
思いついたとしても普通は描けないような言動や展開を、思いのままやれてしまうということ。
そのぶっとび様がとても刺激的であり、しかし露骨すぎて情緒も失われる、そんな諸刃の剣である。
そう本作はとても刺激的、登場人物が全員どこかおかしい、
さらには常人が経験しえないであろう壮絶な過去を抱えているという、
なるほど、危険な香りと破天荒さを楽しむダークサイドなアニメなのだ。すごいな。
でも、悪いのはきみじゃない。過去のしがらみを断ち切るのが一貫したテーマなのかもしれない。
■ナチュラル芸人
キャラがとにかく濃いので、メインシナリオも然ることながらコメディパートがなかなかおもろい。
劣等生のお兄様風のキャラかと思えば、意外に冗談が通じて人情味がある風見雄二、
癖のある喋り方で独自の表現力を持ち、どんな状況でもやけにノリが良い蒔菜、
ともかく元気良くて一挙一動必死な振る舞いが可愛らしいみちる様、の3キャラが特にお気に入り。
現実じゃお目にかかれない、というか目を合わせたくないであろうキャラたちだが、
創作の中ではキャラは尖ってれば尖ってるほど見ていて面白いものだった。
■映像美
キャラ絵にどこか見覚えがあると気になってみたら、化物語でお馴染みのキャラデザ。
ぽよよんろっくな絵が滑らかにアニメーションで映えていて、独特の美麗さがあるように感じた。
調べてみるとホントに劇場サイズの作画用紙で製作されているらしく、こだわりがあるみたいだった。
TVアニメで観ても大きな差は感じられないだろうが、なんだかやけに綺麗にみえたのはそのせいらしい。
シネマチックな映像の美しさもこの作品の見所だったように思う。
☆まとめ☆
なかなか過激で強烈な内容&キャラクターで、尺の関係もあってか急展開の数々だったので、
精神が濁りそうな部分も多々あるものの、個性的であるほど尖っていて印象に残る作品だった。
異常性や目新しさを求めている人には程良い刺激を与えてくれる作品ではないかと思う。