「結城友奈は勇者である(TVアニメ動画)」

総合得点
77.9
感想・評価
1410
棚に入れた
6908
ランキング
591
★★★★☆ 3.7 (1410)
物語
3.7
作画
3.8
声優
3.7
音楽
3.7
キャラ
3.8

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

OZ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

日常系かと思いきや・・・

事前情報を全く知らず
作画が好みなので観てみる事にした2014秋アニメ

■日常系かと思いきや・・・■
パッと見で何やら不思議な部活動の
日常系作品かと観ていたら
全く異なる展開を広げてくれた『結城友奈は勇者である』

おそらく多くの視聴者が感じた事は
「あれ?思っていたのとは違うぞ」と
良くも悪くも期待を裏切ってくれた事だろう。

意外性が持ち味の今作品だけれど
物語が動き出すのは8話~9話なので
そこに至るまでの引きが正直強くはない。
中盤までの日常回をどこまで楽しめるかが
観続けるか断念するかの境目となりそうだ。

次に演出面。
序盤こそ楽しめたバトルシーンも
バーテックス襲来→満開して撃退と
流れが単調な為
徐々にマンネリ化してしまい
心理描写以外にもう一工夫欲しいところである。

反対に評価したいのは作画だ。
予想以上に丁寧な描き方で
もし 作画が今一つだったのなら
中盤で断念も有り得たかもしれない。
全体的に作画でかなり救われる結果となった。

花が咲けば後は散るもので
満開の代償を散華で償う悲劇の連鎖は
単なる日常系かと思いきや
絵柄からは想像出来ない重たい作品である。

■妹想いの姉キャラは数多くいるけれど■
勇者部の中で好きなキャラは?と聞かれたら
ツインテールで二刀流の
三好 夏凜を挙げたいところだが
第9話 「心の痛みを判る人」を経て
風先輩こと犬吠埼 風がお気に入りに。

勇者部部長である彼女は
常に妹の樹や友奈達の事を考え
明るく振舞っている。

一方 満開の影響で声が出なくなった樹は
カラオケが好きな友達の誘いを断ったり
文化祭の演劇では舞台裏の仕事を頑張ると
辛い状況にも関わらず弱音を一切吐かない。

そんな中 風に一本の電話が入り
歌手なりたい夢を抱く樹が
密かに歌のオーディションを
受けていた事を知る。

樹の部屋を見回すと
声を治す為の本や
治ったらやりたい事のメモが置いてあった。

ふと部屋にあるPCに残った
オーディションの歌声を再生してしまう彼女。

「いつかお姉ちゃんの隣に並んで歩けるようになりたい」

温かい樹のメッセージが
無情にも悲しみと共に身体を包む。

大赦に騙されてたとはいえ
樹をも巻き込んでしまったと
自責の念にかられ
感情がボロボロと零れ落ちる。

観ていて心苦しい一幕だが
風と一緒になって涙してしまったものだ。

また EDが通常とは異なり
樹の歌う「祈りの歌」が流れる演出は見事。

妹想いの姉キャラは数多くいるけれど
樹に向けられる風の深い姉妹愛に
胸を打たれてしまい
ここが今作品のハイライトになりました。

■オマージュとパクリは別物■
今作品の引き合いに出される作品と言えば
やはり『魔法少女まどか★マギカ』である。

確かに「魔法少女と残酷な現実」を
テーマにしているのでかなり近いものがある。
樹海の世界観やキャラクターの配色
作品のカラーはまどマギを意識しているだろう。

しかし 決定的に異なる点は
"不条理なシステムを肯定"している事。

主人公の結城 友奈は超ポジティブ思考と言うべきか
絶望に対して恐怖感を抱かず
勇者として自らの身体を
犠牲にする事が当たり前に受け止めている。

まどマギのキュゥべえの様に
神樹は勇者になる為の契約を持ち掛けたりせず
勇者に選ばれた者は
戦えば戦うだけ身体のどこかに異常をきたし
ボロボロになるまで
半強制的に使命を全うさせられるのだ。

見方や捉え方によっては
「まどマギのパクリ」と揶揄される事もあるだろうが
そっくりそのまま引用している訳ではなく
全く同じ表現をしている訳でもなく
素材を独自の表現に昇華しているので
『魔法少女まどか★マギカ』のオマージュと
呼んだ方がしっくりくる作品なのかもしれない。

■あとがき■
想像していたのとは異なる作品でしたが
全12話を観終わる事が出来ました。

8話~9話で本筋が見え
ようやく面白くなってきたものの
そこに至るまでは
引き込まれる程でなかったな。

例えば まどマギで言うところの第3話で
全く予期しなかった"マミる"展開の様に
せめてあと2~3話早く本筋に入っていたのなら
もう少し評価が上がっていたのかも。

盛り上がるであろう展開まで
ちょっと時間を掛かったね。
振り返ると諸々が
消化不良で終わってしまった感が残ったよ。

ラストだけを観ればハッピーエンドなのだけれど
世界を取り巻く危機的状況は
以前変わっておらず
全体を通して観たら
ハッピーエンドとは言い難い結末だったかな。

物語の締めくくりが
「結城友奈の章」で終わったから
また別の勇者で「~の章」みたいな
お話になるのだろうか?

続編よりも東郷 美森が主人公として登場する
今作品の前身『鷲尾須美は勇者である』を観てみたいね。

満足度 ★★★★★☆☆☆☆☆ (5)

投稿 : 2015/01/17
閲覧 : 451
サンキュー:

56

結城友奈は勇者であるのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
結城友奈は勇者であるのレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

OZが他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ