いっき さんの感想・評価
2.9
物語 : 2.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 1.5
状態:観終わった
設定の奇抜さにくらべ展開は・・・
全12話、原作・構成・歌の制作など多岐にわたり音楽家「じん」という人が描いているシャフト制作準オリジナルアニメ。
要素と設定は兎に角近年に流行ったボカロやriaさんritaさんなどの歌手を不思議世界と問題解決を描いています。
主要キャラには不思議な力がありその力で問題解決と話的には王道なのですが、その根底にある能力の正体やキャラ自身の正体とキャラとの絡みがどうにも見づらいアニメでした。
見せ方が見づらいのがまず思ったことですが、これはシャフトによる断片的なシーンの見せ方にも見づらさに加担した印象があります。シャフトは独創的なアップや引きとキャラの心情描写がありますが、それは作品によっては見づらい要素になることを今回再認識した作品でした。
それに輪をかけて見づらかったのが、キャラ説明とキャラの見せ方と進展がとてつもなく詰め込みすぎて見づらく感情移入できずお決まりの''物語は壮大なのに安っぽいアニメ''になってしまいました。
絵は綺麗でシャフトというブランド、ボカロなど近年の流行ったものを詰め込んだら、残念な1クールアニメになった作品でした。
riaさんの歌がもったいないくらいの残念アニメでした。
{netabare}
最初は、主人公が引きこもりでパソコンに謎のAIキャラでこのキャラが主軸で物語が進むのかと思って楽しみでしたが、それからメカクシ団や異能の能力や、異世界の存在、人外種による物語展開など要素がどんどん多くなり、主軸が迷子になって1クールという時間制限もあって敷居が高い、視聴者がどれだけ置いてかれたかと思われます。
兎に角1クールの要素的に人外種(化け物)とその敵に、化け物の異能の能力を受け継いだキャラの説明に異世界の説明がとても雑で視聴者置いてけぼりこの上ない見せ方ということです。
それにこの世界が繰り返された第2第3の世界とか、''言葉''で説明されたって視聴者脳内描写だよりだったのが、とてつもなく見づらかった要因ではないでしょうか。
このアニメに共通しているのが、重要な要素を言葉や、急かすシーンに散りばめたり、そんな物語詰め込みシーンにキャラ同士の関係や心情をさらに詰め込んだら何が何だか分からなくなります。
1クールでこのような壮大な物語にキャラ心情を描いたら、物語に多少無理をしてもキャラ心情や関係を織り交ぜますが、その見せ方が壮大すぎる物語も相まってこれほどキャラに感情移入できないのは珍しかったです。そうするとこのアニメは安っぽい流行りものを単純に入れただけの''なんちゃって壮大なアニメ''で終わってしまいました。
キャラの順調すぎる登場→キャラの異能力の説明不足、突発キャラ暴走→キャラの内面や正体が分からず物語が進行、問題発生→幻想世界の描写の説明不足&キーになるキャラの物語を意識したボンヤリ説明→その問題もあっけなく解決、その壮大なボンヤリ説明が消化不良のなんの感情もなく終了。
この''じん''という人は第2のkey有名ライターの麻枝さんにでもなるつもりなのでしょうか?
そう思うほど幻想世界を織り交ぜた物語も麻枝さんみたいな物語作りですし、riaさんやritaさんなど歌とかも明らかに麻枝さんを意識した作りなのが、麻枝さん好きの私ではマイナス要素にしかなりませんでした。riaさんをネタ要素とかもあり、麻枝さんの作品作りに似ています。その最たる残念さが壮大なボンヤリ説明なのに締めもボンヤリで消化不良で思い返してみれば普通の物語でした。麻枝さんでしたらそこが違います。
私は元々麻枝さんという人の作品が好きなので''じん''という人には申し訳ないけど、だたまねただけのKeyやボカロやニコ動の要素を付け焼刃(ニコ動などでは有名なのかもしれませんが、所詮歴史が浅いと思ってしまいます。AKBみたいに一人ひとりの存在が薄い、薄いアイドルの一人みたいな)で、アニメに挑戦しちゃった感があります。しかし、昨今のアニメはこれ以上の残念アニメがありますので、シャフトの安定作画と物語がある分まだすこし面白いという感覚もありました。
じんさんには露骨な視聴者狙いではなく個性のある作品だったらと思います。
{/netabare}