oneandonly さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
見たことがあるような舞台設定だが
世界観:9
ストーリー:7
リアリティ:7
キャラクター:7
情感:7
合計:37
人間のあらゆる心理状態や性格傾向の計測を可能とした「シビュラシステム」が導入された西暦2112年の日本を舞台とした近未来SFです。
シビュラシステムにより、犯罪を行うおそれのある者は「犯罪係数」が高くなり、規定値を超えれば「潜在犯」として裁けるようになっていて、警察組織「公安局」の刑事がシステムに接続されている特殊拳銃「ドミネーター」を用いて治安を行っています。
映画で見たことがあるような舞台設定ですが、登場人物がその世界を現実として思考し、生きているようにしっかりと描かれています。脚本はまどマギの虚淵玄氏、なるほどと思いました。信頼できますが、安易なハッピーエンドはなさそうだなという印象。
新任監視官として公安局刑事課一係に配属された主人公(常守朱)が、部下となる執行官(犯罪係数は規定値以上)らとともに事件に向かっていきます。元々評価の高い作品でしたが、期待通り面白かったです。
少々グロいシーンがあるので、そういうのが絶対無理という方でなければおすすめです。
{netabare}序盤は世界観を伝えるためのストーリーでしたが、それほど複雑ではなく、ついていくことができました。中盤までかなりハイレベルでした。
強烈だったのはアカネの目の前で友人が殺されてしまうシーン。普通のアニメなら何らかの形で救いの手が入るところですが…。これもリアルではあります。
後半更に良くなると思っていたのですが、シビュラシステムが公開された時の表現がやや陳腐に見えたのと、公安局の局長(及びこの組織の全体)の描かれ方がリアリティに欠けた分、評価を下方修正しました。
それから、シビュラがアカネに自らを明らかにした点に違和感があったこと(シビュラの開示は槙島を失うよりもリスクは高いのではないか? と思ってしまったので)や、最終話にかけてアカネとシビュラとの会話が多く、説明が長いところも気になりました。
でも、色々と想像を巡らせていたら、サイコパス健康優良児のアカネも実は免罪体質で、シビュラはその事実を伏せ、シビュラがどのように世界を制御しているかを教え、今後の展開で、アカネをシビュラ側に誘うのではないかと思ったり。それであれば、シビュラがアカネを特別扱いしたことに納得できます。槙島とアカネの2人を同時に失うおそれは回避したかったでしょうしね。
「君ほどの正義感を持つ免罪体質者であれば、この世界をもっと良くすることができる。僕と契約して、シビュラの頭脳に加わってよ♪」と。
もしくは、アカネが罪(ストーリー上やむをえない殺人等)を犯したのに、裁かれず、葛藤するような角度でくるのか。
なんて、勝手に考えて楽しんでいました。上記はネタバレでも何でもなく、今後のストーリーを知らない私の妄想ですのであしからず。
後半、トーンダウンしたようにも感じましたが、コウガミと槙島の戦いの結末、宜野座とその父のやりとり、そして、エピソード1を思わせる新任の配属シーン。格好良い終わり方でした。第二期もいずれ見たいと思います。{/netabare}
(視聴2015、調整2017.5)