karinchaco さんの感想・評価

3.4
物語 : 1.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態：観終わった

ヤンジャン編集部の思惑（原作が売れればアニメの出来はどうでもいい）が前面に出た作品。

ヤンジャンの漫画原作のアニメ。

このアニメに関してはもうすでにいろいろなサイトやレビューでで酷評されまくっているとは思いますが、私が言いたいのは『原作をよりよいものにする気概がないならアニメ化をするな。』ということです。
実際、この作品も中盤までは主要キャラをうまく掘り下げながら、緊張感のあるシナリオ構成になっていたと思います。しかし、あの駆け足最終回ではそれまで築いてきたものがぶち壊しです。

そもそもこのアニメ化の企画はどこが主導したのでしょうかね。私は、編集部主導のアニメ化だったのではないかと思っています。原作がまだ完結しているわけではないのにあの風呂敷きのたたみ方ですから２期を作る気もないんでしょう。ＢＤも始めからＢＯＸ売り（最近のＶＡＰ作品には多く見られる傾向です）を前提としているので、あくまでも原作の売り上げが伸びればいいと考えているのだと思います。
たしかに、現状のアニメ業界を取り巻く環境は厳しいものがあると思います。一定程度ＢＤの売り上げが見込めるか原作の売り上げ増が見込めなければアニメ化されないのは充分わかりますが、原作の売り上げるための話題作りのためにアニメ化してそのクオリティは全く問わないという姿勢では業界そのものがダメになってしまうのではないでしょうか。

この作品同様に、ヤンジャンのテラフォーマーズは表現の問題でアニメ化はなじまないのではと危惧されていたのにも関わらず、いざアニメ化したら規制祭りだったという例もあります。
そう考えると、問題の根本はもはやヤンジャン編集部のその姿勢にあるのではないでしょうか。

わたしは、原作重視派ではないため原作以上の面白さを出す。かつ、もし、２期以降が作成されるのであればそれを邪魔しない。というのであればアニメオリジナルも致し方ないと思いますが、その対極をいくこの作品は全く評価できません。序盤から中盤にかけて期待させる作品だったのでよりその思いが強いです。