「ユリ熊嵐(TVアニメ動画)」

総合得点
63.4
感想・評価
542
棚に入れた
2357
ランキング
4379
★★★★☆ 3.5 (542)
物語
3.4
作画
3.6
声優
3.5
音楽
3.6
キャラ
3.5

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:今観てる

主人公の家を挟み込む二股の道、どちらを選んでも断絶の壁に行き当たるのか?

ヒタヒタと学園内に吹き荒れる「透明な嵐」に引き裂かれた少女カップル。世界を断絶する壁の向こうからやってきたクマたちはヒトになりすまし、少女たちを少しずつ捕食するという…。
絵は可愛らしく音の入れ方のセンスも面白いのですが…どう収拾されるのか。

放課後の教室内でのみんなの認証(常識判定?)と、ユリ法廷(私道を貫くか否かの裁判?)をパターンとして挟み込む展開。
百合でもいいじゃない♡ってだけのお話ではないことを期待します が


{netabare}
透明な嵐って
アノニマスな多数決の攻撃 ってことかな
いじめでなくても 大人になっても 好きなことしてる集まりでも あるんでねーかー。

ーこういうルールにしましょうよ、ああいうことする人は非難するべきでしょう、みんなで決めたことなら守らないと。

ーそんな事するのはよくない恥ずかしいと「みんなが」言っている 近所の人も親戚も言っている
“私が言ってるんじゃなくて”「みんなが」言っている
「『こっち側』でよかったね」


みんなを基準にすると中心点がボンヤリします。
今のところ対立している相手が「みんな」なのが、対象が掴めずボンヤリしそうです。



『わたしはスキを諦めない!』と言う大味な言い方も、無垢な心情の表し方なのか、意味を掴みに行く手前で「え?」っと一旦停止させられる感じです。
アイでもコイでもなくスキなのか。そのスキはどういう種類なんだろう。


主人公の亡きお母さんが描いたという寓話を絡めてきましたが、この筋書きも大味で掴みづらいです。
ー 月の姫と森の姫が惹かれ合い、向こうの相手と出会いたいなら閉ざされた鏡を打ち砕け。ー
この惹かれ合うって部分が曖昧で、そこまで盛り上がるのは寓話だから仕方ないのか?スキは前のめりに盲目、問答無用なのか…?


少女達には純粋に身をかえりみず友人を想う気持ち(スキ)を持ち続けて欲しい、という理想が込められているのでしょうが
何にせよ今のところ、闘う相手が漠然としています。

「みんな」はスキを虐げる。みんなが祝福してくれていたら、どんな未来だったのだろう。虐げられること前提で物語が紡がれている。
思春期の少女だから、好まずとも被害者で居られて決意の純粋さを掲げられる。加害者もまた、みんなの輪の中で身を守る。
両者を隔てる透明な嵐があるから、両者を演じ続けられる。

ユリ法廷で試される、誰かの祝福がなくとも、貫く覚悟の想いかどうか。



8話のユリーカ先生の過去をみて
友を想い、友を失い、空っぽになってしまったユリーカ。
断絶の壁が出来たのは、友が子を産んだ頃。
想いを遂げる相手を見失い、少女たちを閉じ込める箱・学校に身を捧げる決意をする。
少女たちを統率するのは、悪を排除する透明な嵐…

失う前のユリーカが抱いていたのは、スキとスキマを埋める欲望だったけれど、主人公の母が行っていたのは広い視点のアイだったんじゃないかな。

ユリーカから主人公の母へ、そして銀子に渡った星のペンダント。手を経て通過していく優しさと輝き。(ユリーカはそれを激怒したけれど)
主人公の母が子を抱き慈しむのも、世代を通過していく姿。
ユリーカは、変化せず閉じ込めることを願った。空っぽの箱の中から出れないスキマ風は、渦を巻いて嵐となる。

{/netabare}
女の子ばかりで絵はとってもかわいいけど、女性賛歌ではないような…。
皮肉残酷物語ですね。頼りになりそうな希望が「スキ」といった意味を掴みにくいもので。イクニマジックはまだまだこれからなのか?


個人的に、アニメや漫画の中に、話の比喩やワンクッション置いた説明のために架空の「絵本」や「寓話」が出てくると、どうも手ぬるさを感じてしまいます。作り手がそう表現したいんだから、仕方が無いんだと思いますけども。

投稿 : 2015/03/05
閲覧 : 203

ユリ熊嵐のレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
ユリ熊嵐のレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

ページの先頭へ