どらむろ さんの感想・評価

4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

中二病を交えたジュブナイル＋軽めのラブコメ

主人公達が中二的な異能を持つも…特にバトルとかしないで日常を過ごしていく。
コメディー色の強い、軽めのラブコメ要素ありの作風です。
異能は最弱だが（中二病含む人格面では）優れた主人公が、仲間の女子たちの悩みを受け止めていく展開。

「中二病」を少年少女の成長過程での悩みや成長にうまく絡めたストーリー展開が見所、ユニークな着眼点で描かれるジュブナイル作品として、中々面白かった。
近年の日常寄りラノベ原作は優秀な作品が多いと感じた、佳作の一つです。

{netabare}『物語』
超強力な異能を手に入れたのに特に何もしないで日常過ごす…。
異能積極的に活かした日常生活エンジョイも序盤あるが、基本的に異能はオマケ程度の扱いなのが面白い。
「日常系の中での異能」の面白味が最大限活かされていたとは言えない勿体なさあるも、そこが本作の特徴なのやも。

中二病の主人公・安藤が、文芸部の女子たちの悩みを解決していく（その過程で好感度高まるので軽めのハーレム展開）流れの中で、中二病と青春の成長過程を絡めたジュブナイルストーリーを見せてくれる。
ラノベ作家という夢を持ちつつも自信が無くて悩む灯代には「本気でやればいい」
真面目に額面通りに捉え過ぎる鳩子には「分からないものは分からないままでいい」
強過ぎる彩弓には「誰かを頼るのもいい」
それらが中二病全開でありながら己の個性として確立している安藤ならではの言葉で、きちんと向き合っていく展開に、共感できた。

中二病も異能も、それぞれの個性なんだ！
自分らしくあればいいんだ！

全編にそんなテーマが貫かれていて、好感が持てる。
一見ユニークな設定だが、実は割と正統派のジュブナイル作品なのだと思ったです。
ラブコメ的にも、（特に灯代の）仄かな好意レベルの微笑ましい感情が可愛い。

その裏で本気の異能バトル繰り広げられていたが、そこら辺はやや中途半端でよく分からなかった。
2期あれば進展あるのかも？

総じて
若い読者（視聴者）が共感出来るであろう優れたジュブナイル作品だと思った。
異能はスパイスとして良い感じに効いていた。
淡めのラブコメや萌えも美味しい。
シリアス要素は中途半端だった感。
そこら辺がやや難なので、0.5点減点しました。


『作画』
キャラデザ含め女子が全般的にかなり可愛かった。
近年、アニメ作画の平均レベルが上がっているので、大抵良く思えます。
異能描写も中々。

『声優』
岡本信彦さんが主人公として安定感ある好演でした。
山崎はるかさんの灯代、山下七海さんの千冬も魅力十分。
そして、早見沙織さんの鳩子が中二にキレてまくしたてるシーンが圧巻！
※他のレビュアーさんもこぞって絶賛されている模様、ここは高評価で。

『音楽』
OP「OVERLAPPERS」が本作のテーマをしっかりと捉えた良主題歌。
自分らしくあればいい、そんなテーマを伸び伸びと歌ったこの曲は好きです。
EDもBGMも中々。

『キャラ』
安藤寿来は歴代中二病主人公では最優秀キャラなのでは。
成績も頭も良く、中二を己の個性として堂々と活かし、かつ人格面でも優れている。
安藤が軸となってこそ、異能が絡む青春ストーリーが成り立っていた感。
近年のラノベ主人公は優秀なキャラ増えた印象あります。

メイン女子4人とも中々可愛い。
鳩子は典型的な幼馴染負け組ヒロインとなってしまったが…。
千冬ちゃんのあざとい幼女萌えもおいしい。やっぱり小学生は最高だぜ！
その友人の子（百合）も大好物です。
メインヒロイン・灯代が一番可愛かった。
安藤との適度な距離感からの仄かなラブコメ展開が非常にいじらしく、萌えた。
夢に向かって苦悩したり、個性を肯定してもらって勇気付けられる等々、彼女が本作で一番共感出来る。

鳩子兄たちのガチ異能バトルサイドは、今一つどういう立ち位置か分からず。
…それと。
出番こそ少なかったが、生徒会長が（ニコニコ動画では）妙に大人気でした。
会長がちょっとでも登場するや「会長おおおおおお！」弾幕がｗ
まあ確かに会長可愛いです。
キャラ的にもモブとしては勿体ない逸材なので、もし続編あるなら活躍に期待したいところ。{/netabare}