葵ジュニRSS さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
みんながいつまでもニッコリでいられるように
青春。ファンタジー。
原案・脚本は久弥直樹。脚本が素晴らしいアニメ「sola」から、実に7年ぶりの新作アニメーションということで、期待が高まる。
とにかくノエルがかわいい。かわいすぎる。CVは水瀬いのり。「恋愛ラボ」のスズや「ご注文はうさぎですか?」のチノなど、ちっこくてかわいいキャラが抜群に上手い。ノエルがいるだけで本作は見る価値がある。無邪気で天真爛漫でいつもにっこり、まさに天使である。
他のキャラも高校生にしてはけっこう幼く見えるが、キャラデザはけっこう好み。
そんな登場人物が繰り広げる楽しい青春ファンタジー。というわけではなく、序盤から何やらけっこうギスギスしている。主人公の乃々香が久しぶりに地元に帰ってきたのに、なにやら怒っていたり、無視したり。
その理由は次第に明かされていくのだが、それが少し弱いかなと思う。それだけの理由でそこまでの行動に出るのがちょっと共感しづらい。
そして最後までなかなか心を開かない汐音にちょっとイライラ。いったいいつまでギスギスな話をやるのかと思うほど、なかなか進展しない彼女らを見て少し疲れた心を、ノエルが満面の笑顔で癒してくれる。
この辺りで脱落した人も多いだろうが、視聴し続けて心底よかったと思える瞬間が後に待っている。
この先どんな終わり方をするのだろうと予想しながら見ていて、ひとつの終わりをむかえたと思ったらさらに驚きの展開に。
そして終盤、汐音もまた天使だった。これまで散々汐音に文句言ってた人はごめんなさいしないと。これだけ印象がひっくり返るキャラクターも珍しい。このあたりでもう涙が止まらないわけで。そこから感動の最終回へ。
最終回のEDの絵や提供絵などの遊び心もまた憎い。
ぜひハンカチを用意して、1話1話のキャラクターの心情や言葉の意味を考えながら見てほしい。
ノエルのかわいさはもちろん、OPやEDへの入り方と曲の素晴らしさ、序盤で少し退屈なくらい進展がなかった物語が、終盤で一気に爆発してカタルシスに。久弥直樹を信じて見続けて良かったと思える作品。