蒼い✨️ さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
人間の弱さが招いた悲劇。
昔の記憶だけでレビューを書くのもアレですので、15/01/11の夜に観ました!
作品の解説とか放棄して感想だけ言いますね。
清太お兄さんは、幼い妹・節子を溺愛してましたが
妹が望むことならなんでも叶えてやりたいとかなんて
愛し方を間違えたんじゃないかな?と
あと、親戚のおばちゃんの言うとおりに学校行くか働くか奉仕活動すべきでしたね。
せめて、おばちゃんの家事を手伝うとかしてたら仲良くやれてた思います。
居候の身分でなんで意固地になってなにもせずに毎日ぶらぶら妹と遊んでいたのか?
親戚のおばちゃんにねちねちと生活態度を注意されてムカついたから?
でもね、最初は普通に接してたのに次第に意地悪くなったのも
はために観たら怠け者にしか見えない清太くんたちの態度に問題有ると思います。
確かにおばちゃんの言い方は悪いですが、間違ったこと言ってませんしね。
挙句に節子が『おばちゃんイヤや!』と言ったから
あてもないのに相談もせずに居候させて貰ってる家から出て行って
野宿同然の生活、畑泥棒・火事場泥棒を繰り返した末にふたりとも野垂れ死に。
妹が寂しくないようにずっとそばに居て面倒を見たかったのでしょうけど、
清太くんが善かれ思ってとった行動が全部裏目ですよね。
自分でできることは精一杯やって足りない部分は大人を頼って
見返りが必要ならそれ相応の対価を支払うのが社会のルールです。
おばちゃんが嫌いだから?プライドが許さないから?戻りたくない?
それとも、後悔してるけど今更合わせる顔がない?
農家のおじちゃんとか『おばちゃんとこに戻りい』言ってるのに
清太くんは大人の忠告を全部無視しています。
でもね、妹が衰弱してボロボロになって死にそうになっても
そこで自分を曲げないのは疑問に思いました。
人間生きていくためには妥協や我慢はある程度必要ですよね?
這いつくばっても恥かいても幼い妹が生きるために
ダメ元でも一度は、おばちゃんのところに行くべきだったと思います。
我を通し続けるのはリスクが高すぎです。
海軍の高級将校の息子に生まれて不自由なく育って
心の準備が出来てないうちに
空襲で家は焼けお母さんが死んでしまって…。
清太くんに足りなかったもの…それは大人の社会で生きるのに最低限のモラル、
そして、精神的に大人になるのに必要な時間でした。
追記
元々このお話は作者である野坂昭如が締め切りに追われてさらさらっと書いた短編小説で、
作者の実体験を大幅に脚色したものなんですよね。
極限状態から幼い妹を虐待したり食料を横取りして餓死に追いやってしまい、
自分だけ終戦を生き延びてしまったことへの悔恨と贖罪からせめて物語の中だけでも、
実際には間違いだらけでしたが、妹思いの良き兄であろうとしたという人格に清太を設定して、
節子の後を追うように死なせてしまったらしいのです。
なんにせよ、やるせない物語ですよね。
ただ、世の中にはBADENDな物語も古来より多々ありますし、
火垂るの墓もそういうカテゴリーであり否定すべきものでもありませんし、
これも、ひとつの生き方の結末として受け止めなければいけないと思いました。