isso さんの感想・評価
2.8
物語 : 1.5
作画 : 2.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
火の鳥柄 胸見せニット爆誕
原作最後(天使編)まで読めてないです。
ほぼネタバレです。
作画•••
キャラの動き、芝居はそこそこ、でした。
早い動き、カットの場面では気にならないところも、
ゆっくりとした人間臭さが必要なシーン
(グレートがウイスキーをちびりと飲む、あの2人のキスシーン、等)で
やはりカクカクというか、違和感がありました。
3Dで、アニメ絵の違和感を消す、というところには70%ほど成功していると感じた。
背景•••
違和感はありませんでした。
特にピューマがいなくなった広間と、
最後のベネツィアのシーンの空気感は素晴らしかったです。
キャラデザ•••
フランソワーズ以外は良かったと思います。
映画全体を通してほぼ女性キャラが1人なので厳しくなってしまいますが、
日本人というか、アニメクラスタに向けたキャラではないと思いました笑。
これはもう好みですが、
網タイツ、ボインで、谷間見せニットなど
もはやアンジェリーナ•ジョリーに見えました。
(最初はただの模様かと思いましたが、
ある瞬間谷間が覗いていることに気が付き愕然
あれ考えた人やべーw)
海外を意識した演出も目立ちました。
キスシーンや、やたらセクシーなヒロインはハリウッドムービーそのものですが…
あの衣装を着る様な性格の女性で
終盤のジョーを見送るしおらしさはちょっと成立しないというか、
結局欧米向けお色気追加デバイスだったのかなあ…
アメリカ映画ならああいったヒロインはさらに自らの道を切り開くと思います。
(例えば逆にジョーのピンチを救うとか…)
脚本•••
多くの方が指摘している様にマイナス要素が多いです。
「彼の声」というキーワードで壮大な何か、を予想はさせるが
結局のところ大した提示がされない、
というかアドリナリンが出ない真実の判明が残念でした。
神山作品にありがちなのですが、謎を煽りまくるが、解決にダイナミズムがない、
と思います。(あくまで私個人の感想です)
攻殻もエデンも、
「個別の何人」「セレソン」といったキーワードで惹きつけるのだが、
一本調子というか、様々な要素が有機的に結びつく様の捻りがもう一段欲しいです。
最初の導入は毎回すごく成功しているので非常に残念です。
解決法としては、演出なのか、順序なのか分かりませんが…
全体の印象として、
もはやアニメではなく、実写を意識した演出や設定の為、
実写映画と比較してしまい、
アクションシーンや戦闘、爆発シーンに迫力がないと感じてしまいました。
ドバイの爆発からジョーが逃げる場面、
私はミッション•インポッシブルゴーストプロトコルの砂嵐のシーンを
思い出したのですが、純粋に比較するとやはり009の迫力が負けて感じました。
今までのアニメ映画は、前提として「アニメをみている」と意識していて、
その迫力も特に違和感がなかったのですが、
009は「あまりに映画すぎる」ゆえに、
アニメとしてみている感覚が破れる瞬間があり、
迫力不足としての違和感を抱いたのだと思います。
(それはそれですごい事で初めての体験でしたが)
アニメとしての表現を追求するのか、
それともより実写映画に代替可能なレベルまで3Dアニメを追求していくのか、
真意は分からないですが、後者の場合、まだまだ伸びしろはあると感じました。
まとめ•••
突き抜け不足だと思います。
監督らしさ、である論理的で複雑な謎の堆積と、原作のストーリーとの折衝。
3Dアニメと2Dアニメの折衝。
話数もののテレビアニメと1時間半の劇場アニメの折衝。
実写映画とアニメの折衝。
海外公開と日本公開の折衝。
それらのバランスをすべてとっていった結果、
パンチにかける魅力不足な作品となってしまったのかなと思いました。
ただし、
こういった部類の作品は日本のアニメ映画では少なく、
その中では確実に面白いし、その意気込みや真摯さは非常に好感がもてます。
神山監督、押井監督作品はなんだかんだ大好きですし、
あれこれ言いたくなるのは逆に伸びしろを感じるからです。
(なんでそこまで上から目線なんだと思ってしまいますがw)
これからも熱意ある作品を期待します。