雷撃隊 さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
バランス一点張り、だがそれがいい。
俺たちがアニメに求めるものはなんだ?俺たちが好きなものはなんだ?そのシンプルな答えがこの映画にはある。SF的な世界観、チョイ悪でカッコイイ男、エロコスの女の子、ガチで迫力があるメカバトルと三拍子揃っている。キャストも声優らしい人たちが適材適所のキャラを演じている。芸能人使えば一般人向けだなんて偏見も甚だしい。ストーリーも設定も新しさは無いが気持ちがいいほどのバランスの良さだ。円グラフにしたら真ん円とはこのことだろう。が、それが見事にプラスに働いている。二時間映画のお手本みたいだ。
アンジェラたん、エロいよかわいいよカッコイイよ。ディンゴさん、イカスよ渋いよ、兄貴と呼ばせて欲しいよ。あんたのギター演奏を生で聞きたいよ。
3DCGの映像だけどちゃんと二次元萌えと燃えになっている。やはりアニメはアニメでいいのだ。
今回面白かったのは自我を獲得したAIが人類の敵ではなく友達になるという点。ここは斬新だった。「銀河鉄道999」や「ターミネーター」とは逆のアプローチだ。ああいうマシンとの共存は未来に希望が持てる。一方楽園とされる電脳世界と地上は「働かざるもの食うべからず」というのは共通でさほど変わりばえしないような。結局人間はどうしようとも「働かざるもの食うべからず」なんだろう。
アンジェラが「食」に興味を持つ描写もいいね、はっきりした台詞があるわけじゃないけどうまそうにうどんを食っている。唐辛子いれて嬉しそうな表情して、最初は「無駄なこと」と言っていたのは誰だよ、と突っ込みたくなる。
中盤のフロンティアセッターとの交流はAIでもいい奴だなーと微笑ましい。神谷浩史さんの演技は「ナイトライダー」の野島昭生さんを思い出した。ひょっとして意識してるのかな?
戦闘シーンもバリエーション豊富だ。西部劇ありミサイル戦あり市街戦あり電脳空間へのダイブありで見ていて飽きない。板野サーカスがますます冴え渡る。バトルの描写は「オーガス」を現代の技術でやらかした感じだ。ステレオ・タイプの義理・人情・仁義のために戦う。これでいいのだ。
ラストも誰も死なずにハッピーエンド。大方この終わり方だと予想していたけど予想通りなのが心地よかった。無事宇宙へ飛び立つフロンティアセッターさん、楽園追放のタイトル通りに地上に残ったアンジェラ、ディンゴとコンビ結成でまあ、彼女なら神経太いし逞しいから上手くやるだろ。彼女にはもっともっと美味いものを食ってほしい(笑)
虚淵玄、やればできるじゃん、ここまで後味がいいストーリーも書けるじゃないか。この人21世紀に合った価値観を上手く表現している。
2時間のドラマでここまで前向きな結末を見せてくれた主役3人に祝福と拍手を送りたい。彼らに幸あれ。