oneandonly さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
人付き合いの魅力と難しさに共感
世界観:5
ストーリー:7
リアリティ:9
キャラクター:7
情感:7
合計:35
船乗りの父親の仕事の都合で、長崎県佐世保市の高校に転校してきた主人公(西見薫)が、バンカラな男(川渕千太郎)との出会いをきっかけに、ジャズの魅力にはまりつつ、恋の行方も複雑に絡んでいくという物語。
絵柄や学校のストーリーでは、そんなに古さを感じないのですが、レコードがある時代で、ジョン・コルトレーンが死んだというところで調べたら、1967年頃なんですね。
音楽は菅野よう子さんが手がけているだけあって良いです。絵は普通、舞台設定は日常系ですので、世界観は特筆するものはありませんが、他の評価項目は7点以上。特にリアリティ面を高く評価しています。
音楽シーンは圧巻で感情が伝わってきますし(音楽やっている人からも評価が高いです)、友情や恋愛などをテーマとして見ることもでき、一般的にもおすすめできる作品かと。
登場人物たちの心理描写が上手く、自分の感情や心がストレートに表現できず「なぜあんなことを言ってしまったのか」と後悔するシーンで共感したり、そう言ったらそう思うよなとか、そう行動するよなって納得できる場面がいくつもありました。
{netabare}リアリティへのこだわりは、主人公とヒロインが橋の上で話をするシーンや、主人公が2階にいるヒロインに話かけるシーンで、何の関係もない通行人たちを描いているところでも感じられます(ストーリーやシーン重視であれば不要としてもおかしくない場面だと思います)。
日常系でもドラマに溢れ、その表現もしっかりしていますから最初から最後まで退屈しません。もっと意外な展開があってもと考える人もいるのでしょうが、最終話を含めてこのリアルさは好みです。
また、私は映画「シャイン」のような、音楽や芸術を扱う物語は元々好きな傾向にあって(直接的に心に響きやすいからなのでしょう)、そういう面でも充実できました。音楽仲間っていいですよね。自分も何か楽器ができればと思ってしまいます。
男の友情をここまで上手く、綺麗に描かれた作品は今まで見たことがないかも。派手さはないですが良作だと思います。{/netabare}
<2019.1.10追記>
本作を視聴したのはアニメ開拓初期の頃で、当時、キャラデザはあまり気にしないで評価していたようですが、今の評価基準だと点数が落ちると判断してキャラクターのポイントを下方修正しました。
あと、当初2回くらい視聴した後は全く見直していないこと、OPもローテから外れて久しいことを踏まえ、お気に入りからも外します。
ストーリーは安定していて、学祭回が良かったですね。ラストは悪くないけど駆け足でした。
(調整4.2)