Yulily さんの感想・評価

3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態：観終わった

アニメというよりドキュメンタリー番組

１期に続く2期

作者は鋼の錬金術師で有名な荒川弘先生

漫画家になる前は七年間北海道での農業経験があるからこそ描ける深みが
あるこの作品です。
「百姓貴族」荒川弘先生の農家エッセイの漫画にはその時の経験談が詳細に
面白く描かれています。


主人公の八軒勇吾は中学の学力競争に疲れ、進学校の受験に挫折し農業高校に
入学します。この学校で出会った同級生は、ほとんど農家の子供で、自分の
将来に対して明確なビジョンをしっかりと持ち、この学校にいます。
その中、八軒だけは夢もなく当然戸惑うのです。

１期では農業という今まで経験したことない環境に身を置くことで、
学歴社会の中にいた時とはまた違う大変さを味わい、試行錯誤しながら
自らの価値観を形成し成長していきました。

楽しいギャグも交えて、命の大切さ、命を食する事への感謝の気持ちを学び
知ることができました。


２期では酪農高校に慣れてきた八軒の、のんびりした学園ライフが
見られるのかと思いきや予想外に離農、後継者問題など、重いテーマが多く
{netabare}
農家が抱える厳しい現実に直面した。農業の厳しさを垣間見ることになり
借金や農業経営の不安定さが浮き彫りに。

現実は厳しい。しかし、一緒に悩む仲間がいることはとても幸いです。
悩み考えることが苦しかろうがそれは大切なことですね。一緒に悩み。
嬉しいときは一緒に喜ぶ。八軒たちはいつの間にかそんな仲間でしたね。


一方で八軒の強い後押しのおかけで自分の将来の夢や本当の気持ちを
家族に吐き出せた御影。皆それぞれ頑張ってほしいです。
{/netabare}


農業高校の楽しい生活ばかりを描くわけではなく、農業関係者の
今の現実を訴えるなどとても素晴らしい作品でした。

明らかに先生が描きたいものを描いていますし伝わりました。
この作品はアニメというよりはドキュメンタリー番組という印象でした。
こんなメッセージを伝えられる先生は流石だと思いお勧めですが
「アニメーション」として楽しめたのか？ということを考えると
１期より辛い評価となってしまいました。