kurosuke40 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
人間界は救えたけど……
原作未読
一期二期から一転してラブコメ&ファンタジーに。ただしなんとも救われない物語構造だ。
状況だけ見れば、6人の中から5人の女神を探せ。ギャルゲーのルールで6人同時攻略。ゲームシステムは現実仕様で、ノーセーブノーコン縛り。時間制限を超えると人が死んだり、人間界がなくなるよ、というクソゲーを「落とし神」がこなして行く物語で、ラブコメとして展開していく。女神を探し出し人間界を救うことが目的だから、桂木に想いがないことがバレるなど、二転三転するのでエンタメ的に面白い。ただ問題なのは、この状況は世界は救えても、攻略する側される側の誰もが幸せになれないという構造を持っていることだ。だから面白いけどなんか素直に楽しめない後味の悪さがある。
桂木は目的のために神を辞めて心を鬼にして攻略しているし、攻略される側からすれば気持ちを弄ばされているようにしか思えないだろう。怒ろうとしても、秤に人の命や人間界をのせられればどうしようもない。特にチヒロが一番その犠牲になったのは言うまでもない。
最終話の桂木の涙の意味は、よく2派閥に分けられるらしいけど、私はチヒロ派亜種かな。「現実というクソゲーの中で、(最終話にしてやっと)チヒロが理想の存在だと気づいた。しかし、時すでに遅し。バッドエンドに終わってしまっていた」かな。
根拠は一期二期からの最終話繋がりで。一期「ギャルゲー最高」→二期「現実でも理想の存在はいるんじゃね?」の流れだったため、この流れが自然かなと。原作読んでないし、強く推せないけど。
一期二期が、後腐れなくただ悩みを解決していく気持ちいい物語だっただけに、三期で愛し合っていても結ばれない壮絶な構造を見せられるとは思わなかった。心には残るけど、続編なだけになんか求めてたのと違う感が残ってしまった。