かしろん さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
まっすぐだった、のかな
【最終話まで見てを追加】
【濃いの始めたなーって感じの1話を見て】
{netabare}2011年輪るピングドラム以来の幾原監督作品。
まぁ、なんしろ「ザ・イクニワールド炸裂」である。
画作り、ユリ、効果音、突飛な演出、?な設定は相変わらず。
1話で理解するのは不可能だし理解させる気が無いもの相変わらず。
考えるな、感じろ、って作りなのに考えたくなる比喩表現も相変わらず。
この”なんだこれ感”を”キャッチー”とさせるか、”わけわかんね”とさせるか、両極端なのも相変わらず。
私はドンズバにこられたので、1話を見て直感的に感じたことを。
あくまで「感じたこと」なんで、合ってる合ってないは別問題。という自己弁護をつけながら。
ネットというかSNSというか、その辺の話なのかな、と。
ネット環境が爆発的スピードで隅々まで整い、いつでもネットに繋がることが極当たり前になった社会。
情報の平準化がなされ、個が色を無くして透明な集団と化す。
その中で色を持った者は、現実でもネットの社会でも荒らしや炎上に巻き込まれて立場は苦しいものとなる。
そして、狙いを付けられた者はその個を破壊されてしまう。
そして、ある者は荒らし炎上させる側へと移ってしまう。
惑星爆発:ネット環境の充実
クマ:ネットユーザの悪意
人:平凡(没個性)なネットユーザ
ユリ:平凡(没個性)から抜きでてしまった個の色
断絶の壁:ブロック機能
裁判:悪意あるユーザ達のコミュニティ
透明という色
前作、ピングドラムにおいても語られた透明な存在。
本作においても1話で何度か透明という言葉が出てくる。
極平均として集団の中にあることにより色を失うこと。
この数多にアニメが放送される現在において、「イクニワールド」と称される色の濃い作品を送る監督の心意気とその環境の厳しさ、を表現する作品になっていくのかな、と感じながら。
2話以降、どう転がしていくのか。期待したい。{/netabare}
【5話まで見て、本編より皆さんの考察読んでる方が楽しい気が】
{netabare}本編見てる時は、台詞廻しや演出、メタファーにグルングルンと脳を揺さぶられながらその身を委ね、見終えてから皆さんが書かれている考察読んで
「ふんふん、なるほど、そういうことねー」
と頭の中をスッキリさせてるそんな状態。
どれが何のメタファーかを1話見て書いてみたものの、正直、見てる人十人十色にどうとでも受け止めれる、コジツケれるような構成なので、私のようにネット社会とかアニメ業界と取る人もいるだろうし、そこはヒッカケで大して意味は無い、という見方も出来るだろうし。
ただ、1話を見て、熊=悪、という思い込みに引きずられすぎて、メタファーの捉え方がメチャクチャだな、とは反省中。
そんな中でも、
裁判:悪意あるユーザ達のコミュニティ
などと思ってみたけど、5話まで見て「こりゃ間違えすぎだな」と。
今は「決意」と捉え中。
漫画とかで良くある、頭の中を天使と悪魔が言い争って、みたいなアレ。
ただ、結論ありきなので「迷い」とは違う。
どんなことにも揺らがず行くのだという確固たる意思。
まぁ、違ってても良いのだ。
物語に身を委ね、考察に頭を委ね。{/netabare}
【最終話まで見て、真っ直ぐな話だった、のかな】
{netabare}どうにもイクニワールドと相性が悪い。
5話まで見ての感想と被るんだが、どうやっても、監督が仕掛けたワナに引っ掛かっちゃって、
これ、なんのメタファーだろう
とか
これは何にかけてるんだろう
とか、そっちに意識を持って行かれちゃって、素直に物語を捉えにくいのだ。
で、半分無理無理にソッチに持って行かれないようにしながら物語を見終えた結果の感想は
「非常に素直な、真っ直ぐな愛の物語だったな」
と。
正直、こんな見方だったから、物語の構造とか仕掛けとか、もうちょい言いたいであろう深い部分を掴みきれてはいないだろうが。
じゃあ、そこを掴むために、もう一度、一話から見直そう!
と、ならない、なりにくいのも相性の悪さ。
見るとどうやっても体力を使うから、1話から見直す気力みたいなのが沸かないのだ。これは前作ピンドラでも感じたんだが。
結局、5話でも書いたが
本編見てる時は、台詞廻しや演出、メタファーにグルングルンと脳を揺さぶられながらその身を委ね、
見終えてから皆さんが書かれている考察読んで
「ふんふん、なるほど、そういうことねー」
と頭の中をスッキリさせる
そういう見方が、自分とイクニワールドとの付き合い方としてベストなんじゃないかな、と。{/netabare}