蒼い✨️ さんの感想・評価
3.5
物語 : 2.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
美少女コレクション。
アニメーション制作:ディオメディア
2015年1月 - 3月に放映された全12話のTVアニメ。
原作は、角川ゲームスが開発しDMM.comが配信しているブラウザゲーム。
監督は、草川啓造。
【概要/あらすじ】
大日本帝国の艦艇と同じ名前を持つ少女たち、艦娘(かんむす)は建造などによって生まれる。
ゲームから見るに幼少期は存在しないかも知れない。見た目の年齢は成人女性から子供っぽいのまで個人差がある。
艦娘(かんむす)は人間? 製造されて修理・改修されることから機械かと思いきや、
お腹が空けばご飯を食べるし怪我をすれば血を流す。どうみても生き物。
艦娘(かんむす)は鎮守府に配属され、司令官(提督)の采配で水上を駆け砲火を以て戦う。
提督とはゲームプレイヤーのことで、艦娘(かんむす)は殆どが提督を女性の感情として慕っている。
艦娘(かんむす)が戦うべき敵は深海棲艦であり、
女性の姿をしているのもいれば明らかなバケモノもいる。
深海棲艦は人類の敵であり、艦娘(かんむす)以外では対抗できないらしい。
なお、正体は諸説あるが製作者が設定を考えているのかはわからない。
さて、アニメ版の主人公は駆逐艦・吹雪。真面目で明るい努力家であるが、
ゲームで言うレベル1状態なので弱い。その吹雪が鎮守府に着任することから物語が始まる。
その吹雪が足手まといから成長したり他の艦娘と仲良くなったりするのが、アニメのストーリーの柱なのである。
【感想】
大人気ブラウザゲームのアニメ化ということで、視聴していた提督さんも多いかと思われます。
私は呉鎮守府で1年半の期間に提督をやっていたのですが、
・羅針盤も戦闘も運任せで失敗だらけの徒労感。
・毎日同じことを繰り返すばかりで時間がとられすぎ。
・どれだけ攻略し続けてもドロップしない虚しさ。
・数ヶ月ログインを休んだら設計図が必要な改造だらけで手遅れな状態に。
・レベル100近い艦娘だらけで一々結婚してたらパソコン買い換え可能な程の出費。
諸々の理由ですっかりやる気なくして昨晩秋からずっと放置しています。
さて、アニメ版なのですが作画と音楽は割と綺麗でしたね。
アニメ版の主人公である吹雪とは、私にとっては白雪や綾波や敷波などと同格の存在であり、
アニメでの劇中のような主人公補正で艦隊のキーパーソン扱いすることもなく、遠征の数合わせに過ぎず。
吹雪をデザインした、しばふ絵は美少女系でなくて普通・地味系。そっち系の需要のキャラだったはずが、
アニメでは地味系は変わらないものの美少女度が大幅に上がって、
言葉や姿勢を見せることで艦娘たちの中心的存在になっていくことに凄い違和感。
複数の絵師による原作ゲームのキャラデザインには統一感がありませんので、
同じ画面で動かすにあたって絵柄の統一がアニメでは為されていますけどね。
『赤城先輩のようになりたい!』と吹雪には夢見る少女属性が付いちゃってますが、
『駆逐艦の吹雪と正規空母の赤城は役割が違うだろ!』と突っ込んでみたり。
夢見る未熟な乙女が憧れのお姉さま(赤城先輩)を目標に日々邁進し成長していく。
主人公を王道のテンプレにハメると視聴者の共感を得られるのではないか?という計算があったのかも。
おかげで吹雪が感情を出しまくる出しまくる。
原作ゲームの吹雪の原型が一ミリも残らないキャラになってしまいました。
アニメ版では日常話がメインだったのは、
視聴者にキャラを好きになって貰いゲームに登録してもらおうという宣伝目的でしょうね。
お陰で登場キャラが多いですね。
メインストーリーに絡むキャラは人格が作られ人間らしく考えるようになってますが、
その他のキャラが、ほぼネタキャラかBOTみたいな扱いですね。
キャラをとにかく出す。ゲーム中の台詞をアニメでも喋らせる。というノルマでもあるのでしょうか。
提督が居ない場所で、『提督ぅぅぅ!!』と発情するキャラ。TPOに一致しない台詞を喋りまくるキャラ。
やはり、艦娘は人間じゃなくてAIなんじゃないか?と思えることが多々あるシナリオでした。
そのうえで、吹雪とその周りの艦娘とでシリアス感を出そうとするからチグハグ感があるといいますか。
アニメでは良い子設定で話の中心で居続けた吹雪には、最後まで観ても共感できませんでしたね。
もともとがゲーム中での吹雪に興味がなかったのは別に関係なく、
アニメ中で、自分の大好きな仲間たちひとりひとりの名前を挙げるシーンがあるのですが、
五航戦の二人と加賀さんをわざわざ除外するあたり、この吹雪は実は腹黒なんじゃないか?と思いました。
一番気になったのが提督の扱いが酷すぎな事です。
美少女アニメに男キャラは邪魔者扱いで女しか出さない!は今ではよくあることですが、
プレイヤーキャラの分身である提督に容姿や声が設定されると視聴者の嫉妬の対象となる危惧でも在ったのでしょうか?
台詞も無ければ影しか出してもらえない幽霊以下の扱いの提督に涙しました。
隠すのは顔だけにして腕だけ見せるとか後ろ姿だけ出すとかで良かったのではないでしょうか?
これが今時の対オタクのリスク・マネジメントというのなら怖いですね。
ストーリーに関しては日本が第二次世界大戦で敗北した史実をモチーフにして、
似たような状況に運命のように導かれて、それに抗う艦娘たちというスタイルを採っているのですが、
アニメ『艦これ』では、どういう落とし所にするのか興味ありますね。
ゴールのない原作ゲームでは、艦娘とは一体何なのか?どういう世界なのか?根本的な部分は謎になっていますしね。
そこのところが明かされるのか注目です。最終回では劇場版に繋がる伏線が存在しましたしね。
そもそもが艦娘の精神面に存在するのは、提督ラブと姉妹愛と史実ネタ台詞のみ。人格は在って無きが如しであり、
KADOKAWAサイドの注文に応じながら、コメディやドラマを織り交ぜながらシナリオを作っていたのは御苦労様。
本当は、アニメ向きでない素材を料理するのは難しいのではないか?という結論が出てしまいました。
これにて、感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。