noira さんの感想・評価
3.4
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
図書館恋愛
公序良俗の為に書物の検閲を行う「良化隊」。
書物の自由な閲覧の為に保護を行う「図書隊」。
両部隊が武装し、争いを繰り広げるパラレルな近未来を舞台とし、
主人公が図書隊の特殊部隊に入隊するところが本作の起点となります。
規制が強まり、表現の自由が失われつつある現在を鑑みると、
ただの創作物語とは言い切れない設定で、思うところが多々ありました。
ちなみに、本作は「図書館戦争」というタイトルではありますが、
戦争を主題とした作品ではありません。
それらの場面は、むしろお粗末に見えてしまいました。
戦争とは名ばかりで、サバイバルゲームでもしているような安っぽさ、
おもちゃで打ち合っているような緊張感の無さを感じてしまいました。
それらを踏まえて言わせてもらえば、本作は戦争っぽさをスパイスにした「恋愛物語」になると思います。
しかし残念なのは、全体的な恋愛ストーリーが王道過ぎるということです。
悪く言えば、使い古された、在り来たりな内容であり、先々の話が容易に想像出来てしまいます。
が、やはりそこは「図書館戦争」です。
恋愛部分、戦争部分のみを抜き出してしまえば、ただの凡作、駄作となってしまうだろうという作品ですが、
戦争と恋愛という2つの要素が互いに影響し合い、見応えのある作品を形作っています。
物語や設定があまり深く練られていない印象も少なからずありますが、
それでも、様々な事件や人間関係、両部隊の立場と言った部分は楽しく視聴することができました。
超個人的な意見ではありますが、表現の自由、メディア弾圧といった部分をもっと深く描いて欲しかったです。
総括するならば、全体的に無難な仕上がりになっており、多くの人に受け入れられるのではないかと思います。
硬派な戦争モノを期待する人には当然オススメ出来ませんが、軽い気持ちで視聴し、ちょっと考えてもらいたい、そんな作品です。