kurosuke40 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
落とし神が現実にちょっと目を向ける話
ギャルゲー風ハードボイルドの続き。
総評としては、桂木が現実へも一応目をかけるまでの過程が、丁寧な配置で描かれていて胸熱でした。最初はOPの情報から救うのは三人だけで大丈夫か、と不安になりましたが、素晴らしい塩梅でした。
一話アバンの「ていうか一期見てないのか」という言葉の通り、一期で、桂木の現実への不干渉っぷり、ギャルゲーへの博愛っぷりを見てないと、二期で目指した彼の心の動きは見えにくいと思います。特に彼が二期で救うのは、一期と比べると一見地味な人物であるため、(作者から)桂木への心の揺さぶりが見えないとつまらないかもしれない。一期の感想は熱く語りすぎた感があるので、二期はあっさり。
{netabare} 大きく動くのはチヒロから。結局今までは桂木は現実の少女たちを直視せず、自分の脳内ギャルゲーデータベースを参照して、理想のギャルゲー少女と比較してしか現実の少女たちを見てなかったという話。チヒロのおかげで桂木のデータベースに初めて現実の少女からの情報が入ったのである。今までは当てはめだけだったのに、初めて現実に目を向けた。……ただ桂木の言によると現実はやはり不合理なフラグ回収なんだとか
チヒロの悩みの象徴として、1つの世界を極めた桂木と凡人チヒロの間に傘で壁をつくる動作はなんとも可愛らしい。正直OPでこのモブかーと思わされてたのを、桂木と同視点で変換を魅せられました。あとチヒロの話の途中で、桂木がアユミにちょっと恩返しされたのも、桂木が現実逃避している間だっただけにほっとしました。
長瀬先生の回については、「現実には理想がなさすぎる」云々等の、珍しく桂木のエゴが発言に出ていたと思います。テーマが理想と現実だったので口を挟めずにいられなかった感じでした。私には長瀬先生の方法論が練られてないのが問題に見えましたが、桂木が導いたのは、理想を求める姿勢は聖職として肯定するというものでしたね。あー私がモテナイわけです。
そして最終話。チヒロ回の現実に目を向けることと、長瀬先生回の自分の理想という話、またクソゲーの中に自分の理想を見つけたこと、の3点から桂木が「クソゲーである現実でも理想に通じるルートはあるかもしれないので、ちょっとは現実を見てもいいかな」と導き出した話。
今までは、ギャルゲーにおいて、理想の女の子と時間を過ごすことという目的と、少女を攻略することという手段が逆転していたが、「俺達はまだ女の子について話していない」と気づく部分が熱い。でも理想ってもやっぱりギャルゲーの話だから滑稽だよねーという表現も忘れない。今回は音量的にあんまり音痴が耳につかなかったけど。
彼がどのように現実の理想へのルートを探り出すか、今後楽しみだ。
{/netabare}