101匹足利尊氏 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
『SAOⅡ』一気見のススメ
原作で私が一番好きな「ファントム・バレット」と
二番目に好きな「マザーズ・ロザリオ」がアニメ化される!
何より『SAO』で私が一番好きなヒロイン・シノンちゃんが躍動する!(笑)
ということで放送開始を心待ちにしていた二期目。
…なんですが、私は敢えてリアルタイム視聴はせず、
「ファントム・バレット」編、「キャリバー」編、「マザーズ・ロザリオ」編と、
エピソードごとの一気の録画視聴を敢行しました。
理由は時間の流れの速さの〝落差"を気にしたから。
特に{netabare} 一期目前半の「アインクラッド」は約二年を一気に駆け抜けるのに対し、
本作前半の「ファントム・バレット」は実質二日間くらいのお話ですからねぇ…(汗) {/netabare}
一期前半のテンポこそが『SAO』だと感じた原作未見のファンの中には、
二期前半が急激なスローダウンに感じられて面喰った方もいるのではないでしょうか。
私も各話間を置いて視聴すると、なかなか進まない話に焦れてしまうのではないかと懸念し、
一気見を選択しました。
一気見すると多少振り返りの多さも感じられました。
でも仕方がないですよね…。物語内では昨日言ったことの確認でも、
リアルタイムの視聴者にとっては2か月前に聞いた内容だったりします。
連続テレビアニメという枠組み自体が
今回のエピソードとはあまり相性がよくなかったのかもしれません。
理想を言えば「ファントム・バレット」は劇場版なんかで、
他のお話はOVAなんかで通して見たかったかも。
まぁ…好きなお話がこうして綺麗な作画+豪華声優陣+梶浦由記さんのBGMで、
映像化されたのですから、これ以上ぜいたく言っても仕方ないですが…。
この辺りを差し引いても尚、「ファントム・バレット」&「マザーズ・ロザリオ」の
私の中の高評価は不変です。
特に一期後半の「フェアリィ・ダンス」編程度のテンポが確保されていた
「マザーズ・ロザリオ」編は原作以上に感動しましたし、泣けました。
そういえば、ラノベ、アニメ通じて『SAO』で泣いたのは今回が初めてです。
私がゲームファンとして『SAO』が好きなのは、ゲームが再現されているからではありません。
(というよりゲームバランスなんて毎回キリト無双で全壊ですし(苦笑))
ゲームが心を荒ませるのではない。
現実でも心が汚い人間はプレイヤーとしてもゲスいし、
心が清らかな人間はプレイヤーとしてもカッコいい。
そんな世間一般では未だに白眼視される当たり前を代弁してくれる
川原礫さんの作家性に惹かれているのだと思います。
例えば{netabare} 「悪いな…ここは通行止めだ」というセリフも
心のねじくれた連中が吐いたら超~ムカつきますが、
心が真っ直ぐな人間が言い放ったら痺れるくらいカッコいい。
そんな心の格差がまこと明快に表現されていると思います(笑){/netabare}
電脳世界も結局、使う人の心次第であることを痛感できる各エピソード。
是非とも感情を隠せない〝不便"な心で、一気の視聴をオススメしたい良作です。